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「競べ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

競べの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
逞《たくま》しい五六人の若者たちでないと、容易に砂から離れなかった。そこでこの力競べは、自然と彼等五六人の独占する遊戯に変ってしまった。彼等はいずれも大きな岩を....
三つの宝」より 著者:芥川竜之介
を斬るまでは、何も斬らないつもりなのです。 王女 あら、あなたは黒ん坊の王と、腕競べをなさりにいらしったの? 王子 いえ、腕競べなどに来たのじゃありません。あな....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
き思いを為し、口食ひしめ、眼見張りて、両手は殆んど水に漬け続けなり。 ただ、根競べにて、勝を制せんと思うものから、急らず逼らず、擒縦の術を尽せしが、敵の力や多....
活人形」より 著者:泉鏡花
敷には泰助が、怪しき婦人を見送りて、下枝の写真を取出し、洋燈に照して彼とこれと見競べている処へ、亭主は再び入来りて、「お客様、寝床を敷いてやりますと、僵れる様に....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
にソト頬摺す。われは舞台に見向きぬ。 背後見らるる心地もしつ。 ややありて吸競べたる膏薬練の、西なる方吸寄せられて、ぶざまに転けかかりたる状いと可笑きに、わ....
三人の双生児」より 著者:海野十三
団ともつかない塊の上に手をかけて、妾たちを見守っているのであったが、このカンカン競べのあったときは、どうしたものかその黒い切布をかぶったものがまるで自ら動きでも....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
「うん、一度入った者は、いつかは出てこなければならない。そうだろう。あとは根気競べだ」 3 青年|漢于仁は、今日も窓のそばに、椅子をよせて、遙かに....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
手ながら力一杯。悪僧がぐっと引いた。二人も一生懸命力の限り引いた。少時綱引きの力競べになった。空船は途中で迷っていたが、坊主がうんと頑張る途端に、艫の縄がぷつり....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
カバネルが四人の黒ン坊の子供に担がせた近東風の輿に乗って出るということ。その伊達競べに使われた可憐な役者達が、勤めを果して此処に眠って居ることが彼に解った。 ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
腕白な英雄は結局それを面白いことにして、二、三連れて出た近侍の小姓と障害物の跳び競べなぞするのでした。そして、その度に今日こそあの隙のない名人に不意討ちをかけ、....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
ちょっと可愛いと思った。独逸に留学していた時、こんな顔をした中学生がビールの飲み競べをやっていた。こいつは余り飲めそうにもない。姉の結婚式で二、三杯盞をなめて、....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ったところで日本のような具合に取るのでなくって、ごく離れ離れになってまあ腕の押し競べというような具合にやるので、相手を倒すというような事はないのです。それから壮....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
い。「野暮は垣根の外がまへ、三千楼の色|競《くら》べ、意気地《いきじ》くらべや張競べ」というように、「いき」は媚態でありながらなお異性に対して一種の反抗を示す強....
骨董」より 著者:幸田露伴
工合から、全くわが家のものと寸分|違わなかった。そこで早速自分の所有のを出して見競べて視ると、兄弟か※として真に逼ったものであったのである。恐ろしい人もあったも....
火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
は、この森林帯の立派さを艶説しているが、レイニーア火山や、ベエカア火山の、それに競べると、さほどの物ではない。ホールス・キャムプという平地に出で馬を下り、野営の....