競売[語句情報] »
競売
「競売〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
競売の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
所つきといったものも見受けられ、また、古靴底の買手募集、毎晩八時より午前三時まで
競売というようなのもあった。すべてこうした連中の押しかけていた部屋は手狭であった....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
、その男に家を貸していた大家がそんな人間を集めてその場でその男の持っていたものを
競売にして後仕末をつけることになった。ところがその品物のなかで最も高い値が出たの....
「恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
い、これらの船をたくさん置き放《ぱな》しにして逃げてしまったという。そこで豆潜は
競売《きょうばい》に出たが買い手がないために売れなかった。そして、なんども
競売を....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
も。めいめい速く能を隠すがよい。もしほんとうに重宝だと世間へ知れたならば、すぐに
競売に出されて最高入札者の手に落とされよう。男も女も何ゆえにかほど自己を広告した....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
い菜は、皆天王寺の蕪と見た。……頬被したお百姓、空籠荷うて行違う。 軒より高い
競売もある。 傘さした飴屋の前で、奥深い白木の階に、二人まず、帽子を手に取った....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
から――と。 にちぇうぉ! 仕方がないから帰宿。ぶらぶら町を見物する。 夜。
競売市へ行く。共産党が宮廷や富豪の邸から担ぎ出した貴重品類を、革命十年後のこんに....
「札幌まで」より 著者:寺田寅彦
甦って来るのを感じた。 とある町角で妙な現象を見た。それは質屋で質流れの衣類の
競売をしている光景らしく判断された。みんな慾の深そうな顔をした婆さんや爺さんが血....
「桜の園」より 著者:神西清
いわ。 アーニャ 困るわね、どうしましょう。…… ワーリャ 八月には、この領地が
競売になるわ…… アーニャ ああ、どうしよう。 ロパーヒン (ドアから覗いて、牛....
「イオーヌィチ」より 著者:神西清
も少し収入のよさそうな家を物色している。で例の『相互信用組合』で、どこそこの家が
競売に出ているという話を聞くと、彼は遠慮会釈もなくその家へ押しかけて、ありったけ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
世話人の一人である父は家を出がけに言った。 百木の門口には町の人々がたかって、
競売が初まった。家具はひとつひとつせり落とされて行った。 父は屏風の前の火鉢の....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
合に起るせり上げの特殊な形態は、この商品の全量が一度に供給せられると仮定すれば、
競売のそれである。この場合には、市場価格は、数学的には、距離 OQbとなる。けだ....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
を県の公園に引取って貰う相談を彼のいわゆる下品な労働党の政府に持ち出したり、邸の
競売を写真入りの広告でタイムスへ載せたりしたらもうおしまいだ。折角生前あれほど骨....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
形にて、大兵ながら女房役者として用いらる。 ○三月、春木座は二万円の負債のために
競売に附せらる。 ○五月、中村福助は養父の名を継ぎて五代目中村芝翫と改名し、歌舞....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ば、両換屋が待っている。
そこになくなれば、ちょいとの間掘る。
出て来た杯や鎖を
競売にして、
すぐに紙幣を償却する。そして厚かましく
悪口を言う、疑深い奴に恥を....
「海のかなた」より 著者:小川未明
ない不幸なことがもちあがりました。 松蔵の家が、貧乏のために、いっさいの道具を
競売に付せられたことであります。もとよりなにひとつめぼしいものがなかったうちに、....