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「競馬場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

競馬場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
むしする間を着飾った娘たちが、刺戟《しげき》の強い色を振播《ふりま》いて歩いた。競馬場の埒《らち》の周囲は人垣で埋った。三、四軒の農場の主人たちは決勝点の所に一....
路上」より 著者:梶井基次郎
くなり、自分はこの頃病的に不活溌な気持を持てあましていたのだった。) 「あの辺が競馬場だ。家はこの方角だ」 自分は友人と肩を並べて、起伏した丘や、その間に頭を....
競馬」より 著者:織田作之助
朝からどんより曇《くも》っていたが、雨にはならず、低い雲が陰気《いんき》に垂れた競馬場を黒い秋風が黒く走っていた。午後になると急に暗さが増して行った。しぜん人も....
世相」より 著者:織田作之助
に入れ、氷饅頭を作ったこともある。冷やし飴も売り、夜泣きうどんの屋台車も引いた。競馬場へ巻寿司を売りに行ったこともある。夜店で一銭天婦羅も売った。 二十八の歳....
藁草履」より 著者:島崎藤村
人目を引きました。この厩を四方から取囲《とりま》いて、見物が人山を築く。源も馬を競馬場の溜《たまり》へ繋いで置いて、御仮屋の北側へ廻って拝見すると、郡長、郡書記....
我が馬券哲学」より 著者:菊池寛
にする。ほんとうは、一人の人気である。しかも、それが十となり百となっている。これ競馬場の人気である。 一、「何々は脚がわるい」と云われし馬の、断然勝ちしことあり....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
て、さてこのとおり、国道を流れる車輪の急湍に加わってこうしていまエプソム町近郊の競馬場へ馳せ参じたわけだが、BEHOLD! 遠く望めば、混然湧然|轟然たる色調....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
う一つのモンテ・カアロ風景を作り出していた。しかし、これは私があんまりロンシャン競馬場の泥みたいな土耳古珈琲にコニャックを入れ過ぎたので、その御褒美に、キャフェ....
家なき子」より 著者:楠山正雄
いた。マチアとわたしは商売のほうになにも用がないので、町からかなりへだたっていた競馬場を見に行った。 イギリスの競馬場のぐるりには、たいてい市場が立つことにな....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
処ですか」 「池の端茅町で、山高さんの手前の所です。馬見場(以前|不忍池の周囲が競馬場であった頃、今の勧業協会の処にあった建物)から向うへ廻ると二、三軒で冠木門....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
うでございます』 『何をしあるいていたんのでしょう』 『遊びあるいていたのです、競馬場へ入ったり、珈琲店や舞踏場へ入り浸っていたのです』 『そんなに金を持ってい....
競馬」より 著者:犬田卯
らんでしまった。 野良着の裾を下ろした彼は、そのまま宙を飛んだ。町の郊外にある競馬場は、もう人で埋っていた。すでに何回かの勝負があったらしく、喊声や、落胆の溜....
夜の構図」より 著者:織田作之助
ると、信吉は思わずにやりとした。不気味な笑いだった。 「よし、今だ!」 信吉は競馬場の馬券の発売口へ行く男のように、舞台裏から楽屋口の方へ出て行った。途端に信....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
形に行くこと二丁余り、その道の左側には兵営もありまた小さな練兵場もありまた右には競馬場があります。登り詰めた道の正面に内殿の接客室がある。我々二人はこの接客室に....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
」にて、土肥春曙のハムレット好評。 ○一月、歌舞伎座の二番目「競馬春廼魁」にて、競馬場の舞台に本馬を用う。騎手は団子、栄三郎。 ○一月十二日、三木竹二死す、四十....