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竿
「竿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
竿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
ている妙な男を発見した。その男は羊羹色《ようかんいろ》の背広を着て、体操に使う球
竿《きゅうかん》のような細い脚を、鼠の粗い縞のズボンに通している。縁《ふち》の広....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
きり》にしゃべりながら、見慣れぬ女菩薩《にょぼさつ》の画像《えすがた》を掲げた旗
竿を片手につき立てて、佇《たたず》んでいるのでございました。年の頃はかれこれ三十....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
らびがある。石をのせた屋根、こまいのあらわな壁、たおれかかったかき根とかき根には
竿《さお》を渡しておしめやらよごれた青い毛布やらが、薄い日の光に干してある。その....
「路上」より 著者:芥川竜之介
気な顔で、鉈豆《なたまめ》の煙管《きせる》をすぱすぱやりながら、
「あるいは百尺
竿頭一歩《ひゃくせきかんとういっぽ》を進めて、同じく屁を垂れるから、君も彼等と甲....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
彼の肩へ移った時、彼の体は刹那《せつな》の間《あいだ》、大風《おおかぜ》の中の旗
竿のごとく揺れ動いたように思われた。するとたちまち彼の顔も半面を埋《うず》めた鬚....
「少年」より 著者:芥川竜之介
物は濃い藍色《あいいろ》、腰蓑《こしみの》は薄い黄色《きいろ》である。ただ細い釣
竿《つりざお》にずっと黄色をなするのは存外《ぞんがい》彼にはむずかしかった。蓑亀....
「或る女」より 著者:有島武郎
槇《こうやまき》が二本|旧《もと》の姿で台所前に立っている、その二本に干《ほ》し
竿《ざお》を渡して小さな襦袢《じゅばん》や、まる洗いにした胴着《どうぎ》が暖かい....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
船の上に飛び乗っている。ややともすると、舳を岸に向けようとする船の中からは、長い
竿が水の中に幾本も突き込まれる。船はやむを得ずまた立ち直って沖を目ざす。 この....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
る画面を覚えている。その男はなんでも麦藁帽をかぶり、風立った柳や芦を後ろに長い釣
竿を手にしていた。僕は不思議にその男の顔がネルソンに近かったような気がしている。....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
先生、山めぐりで見廻ったんだ。道理こそ、いまし方天幕へ戻って来た時に、段々塗の旗
竿を、北極探検の浦島といった形で持っていて、かたりと立掛けて入んなすった。 (ど....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
近所で名高かったものは、両国の釣金の「堀龍」という凧であった。これは両国の袂の釣
竿屋の金という人が拵らえて売る凧で、龍という字が二重になっているのだが、これは喧....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
割れ目からも、農場でとれた宝物がこぼれ出そうだった。そのなかでは朝から晩までから
竿の音がいそがしく鳴りひびき、つばめや岩つばめが軒端をかすめて飛び、さえずり、屋....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
ずいぶんかわいがるでしょうね、そうしてお子さんもたくさんできるわ。そうして物干し
竿におしめがにぎやかに並びますわ。青島さんは花田さんといっしょに会をやって、きっ....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
る間に、水光天色次第に金色に変じ、美しさ言うばかり無し。常の釣には暮色に促されて
竿を収め、日の短きを恨みて、眷々の情に堪えざるを、今日のみは、これより夜を徹せん....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
父は十何歳かの時に年にも似合わない大小を差し、この溝の前にしゃがんだまま、長い釣
竿をのばしていた。すると誰か叔父の刀にぴしりと鞘当てをしかけた者があった。叔父は....