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笑み
「笑み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
笑みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
さえ、生きているよりは、どのくらい望ましいかわからない。私は悲しいのを無理にほほ
笑みながら、繰返してあの人と夫を殺す約束をした。感じの早いあの人は、そう云う私の....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
ぶ》酔《よい》がまわっているのであろう。本間さんは返事をしずに、ただにやにやほほ
笑みながら、その間に相手の身のまわりを注意深く観察した。老紳士は低い折襟に、黒い....
「星座」より 著者:有島武郎
飛んできた。不思議だった。西山は涙を感じた。
森村が眠そうな顔をしながら会心の
笑みのようなものを漏《も》らした。そしてしびれでも切らしたようにゆっくり立ち上っ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
きらぼうにそう答える。 「朝げにまた眠いとってこづき起こされべえに」にっと片頬に
笑みをたたえて妹は君にいたずららしい目を向ける。 「なんの」 「なんのでねえよ、....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
かった。クララの父母は僧正の言葉をフォルテブラッチョ家との縁談と取ったのだろう、
笑みかまけながら挨拶の辞儀をした。 やがて百人の処女の喉から華々しい頌歌が起っ....
「橋」より 著者:池谷信三郎
ろん彼女は大勝ちで、マクラメの手提袋の中へ無雑作に紙幣束をおし込むと、晴やかに微
笑みながら、白い腕をなよなよと彼の首に捲きつけたのだったが、彼は石のように無言の....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
連れ出して、他の巨匠の作品を見せたりしたが、依然として無関心なるアウレリウスは微
笑みながら口をつぐんで、美に就いてのかれらのお談議に耳を傾けてから、いつも疲れた....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
また俯向いたが恐々らしい。 「叔母さん、まあ、一体、何ですか。」と、余りの事に微
笑みながら。 四 「もう聞えやしますまいね。」 と憚る所あるらし....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
と、丁度蜻蛉のように、空を横切って、私の足元に飛び来り、その無邪気な、朗かな顔に
笑みを湛えて、下から私を見上げるのでした。 不図気がついて見ると、その小人の躰....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
は不思議でたまりません。ふと王子のお顔をあおいで見ますと王子はやさしいにこやかな
笑みを浮かべてオパールというとうとい石のひとみで燕をながめておいでになりました。....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ようですし、ながいまっ黒なまつ毛の奥には、ふかい青みをもった、貞実な目がやさしく
笑みかけていました。 「あなたでしたよ。」と、王子はいいました。「そう、あなたで....
「墓」より 著者:秋田滋
、永久に消え去ってしまったのであります。 彼女はさまざまなことを考えました。微
笑みました。またわたくしを愛しました。しかしながら、ただそれだけでした。創造の世....
「初雪」より 著者:秋田滋
り出て来た。ちょっと立ちどまって散歩をしている人たちを眺めていたが、やがて微かな
笑みを洩すと、いかにも大儀そうに、海のほうに向けて据えてある空いたベンチのところ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
る東京に出るとも第二流には落つまじと俄かに気強くなりて、密かに我腕を我と握りて打
笑みたり。この頃の考えには学者政治家などという区別の考えはなく、豪傑英雄という字....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
間にか仙人化してしまう。その仙人化されてゆくところに私は大なる興味をおぼえ、快い
笑みを浮べつつ歓喜の心を掻き抱く。私の感受性にうったうる自然の感化は山国生活の最....