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「笞刑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

笞刑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
現行盗と、刑罰の軽重が非常に異なる事である。即ち現行盗の犯人は、もし自由人ならば笞刑《ちけい》に処した後《の》ち被害者に引渡してその奴隷となし(いわゆる身位喪失....
フロレンス・ナイチンゲールの生涯」より 著者:宮本百合子
の酸鼻が、しばしば議会の問題となり、世界の注目がそこにあつめられた。この時代まだ笞刑の行われていたイギリス陸軍の兵士が、クリミヤ戦争で傷つき、運ばれてゆくスクー....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
すね。僕はまた、それをまじめなことだと思って、教会はこれから刑事事件を裁判して、笞刑《ちけい》や流刑《るけい》や、悪くすると死刑の宣告さえするようになるのじゃな....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
はずか》しめの衣裳を着せられた後にその肖《すがた》を焼かれていた。巨人ヘンデルも笞刑《ちけい》を受けていた。ただヨハン・セバスチアン・バッハのみは、「誤って新教....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
もしなかった。そしてやはり黙ったまま陰鬱《いんうつ》に規則的にそこを歩き回って、笞刑《たいけい》を受ける兵士のように五分間ごとに男の嘲罵《ちょうば》の的となって....
貞操問答」より 著者:菊池寛
って……」 「じゃ、つまり貴女は前川さんに、この店を出してもらったんですか……」笞刑を受けている囚人のような声で、切れ切れに云う美沢の言葉には、言外の意味も含ま....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
としてその程度を予知することの出来ない刑罰を課したものであった。なおまた、そこは笞刑柱★でも名高かった。これも懐しい昔の施設物の一つであって、その刑の行われてい....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
かにして処罰せらるべきであろうか。早婚者を指笑の的たらしめるべきか。車に牽かせて笞刑を課すべきか。何年か監禁すべきか。子供を遺棄せしむべきか。この種の罪過に対す....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
話の種。黒姫山の裾野にて、若衆の叩き払い致して遣わすぞ」 力に委せて武道者は、笞刑を美少年に試みようとした。 「この上は是非御座りませぬ。御心委せに致しまする....
奉行と人相学」より 著者:菊池寛
前はやさしく云ってきかせた。 やがて、与力に依って、判決文が、よみ上げられた。笞刑などは、当時は、現代の執行猶予くらいの恩典だった。 が、隠徳の相と盗心の相....
チェーホフ試論」より 著者:神西清
この大旅行の突発性や無根拠性は、さらに事後の彼を見ればますますはっきりする。彼は笞刑の現場を見て、幾晩か眠れなかったと語る。だが結局サガレンに、彼は震撼もされず....
審判」より 著者:カフカフランツ
はずだ。――われわれは、出世する見込みがあったんだ。きっと間もなくこの人みたいに笞刑吏になれたんだ。この人ときたら誰からも密告されないっていういい身分なんですよ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
まって、自分の喰うのはごく僅かになってしまうそうです。刑罰の一番優しいのが罰金、笞刑、それから 取ってしまう刑、手首を切断する刑。それもじきに切断しない。この....
追放されて」より 著者:神西清
逃げて行くか、どっちかに極っている。逃げて行きゃ捕まる。それから裁判だ、徒刑だ、笞刑だ……。」 「それでいいんだ、いいんだとも」と、寒さに縮み上りながら韃靼人が....
特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
山義通君の談によると、大和柳本の部落はかつて織田家がこの地に陣屋を設くるに際し、笞刑執行・汚物掃除・死牛馬取片付等の必要より、新たに三戸を他から移植せしめたのが....