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筆先
「筆先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筆先の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
やして、わざと馬琴に当りちらしているのであろう。
「第一馬琴の書くものは、ほんの
筆先《ふでさき》一点張りでげす。まるで腹には、何にもありやせん。あればまず寺子屋....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
いました。彼等が手本にしていたのは、皆支那人の墨蹟《ぼくせき》です。しかし彼等の
筆先《ふでさき》からは、次第に新しい美が生れました。彼等の文字はいつのまにか、王....
「父」より 著者:太宰治
ずう》しい面《つら》の皮千枚張りの詭弁《きべん》、または、淫祠《いんし》邪教のお
筆先、または、ほら吹き山師の救国政治談にさえ堕する危険無しとしない。 それらの....
「ふもれすく」より 著者:辻潤
家が搾取で、プロレタリヤが正直で、唯物史観がマルクスで、進化論が猿で、大本教がお
筆先で、正にあるべきはずなのが大地震だったりしては、一切は鮒が源五郎で、元結は文....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たお方が余人でないので、せいぜい腕を揮おうと思っているのですが、それがため却って
筆先が固くなった気味で、まことにどうも困っています。千之丞殿も定めて御立腹、ひい....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
深くこの山地に注目することもなく、地方発達のあとを尋ねることもなく、容易に一本の
筆先で数百年にもわたる慣習を破り去り、ただただ旧尾州領の山地を官有にする功名の一....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
やある場合の武者小路のタイプに近い)、多少キリスト的でさえあるからだが、例えばお
筆先の類と聖書の含蓄ある部分とを較べて見れば、この区別はもっとよく判るだろう。 ....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
ガラス面で直ちに固定し、すぐ乾燥してしまいます。 この油を筆に沁ませて、粉絵具を
筆先きで少しずつ、パレットの上で溶解しながらガラスへ塗って行くのです、一時に多量....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
ていた。そして私のために一本の竹を描いて見せた。 今、西洋人が日本画家の一本の
筆先きから生れる竹石、雲煙の妙に驚くのと同じ種類の驚きで私は眺めていた。 さて....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
いう方法的な検証を経ない天才的な(?)イデーが物を云い出すと、人に判らなければお
筆先になるし、人に判れば身勝手な身辺や小さい私の文学として判る。一人前の文学はど....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
あるものが例の出口王仁三郎の昭和神聖会であって、大体そのイデオロギーが大本教のお
筆先きによるものだ、というのである。お
筆先によると、昭和十年には日本に一大変革が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ものが、たしかにどこぞで見たことのある筆蹟のように思われてならないのですが、その
筆先しらべはあとのこと、「無明道人俗名机竜之助」の文字が兵馬の腹にグザと突込みま....
「邪教問答」より 著者:坂口安吾
科学的な推論じゃなしに、神話の中から民族の理想と予言をひきだしてくる、何々教のお
筆先、璽光様の世直しの御理想と全然異るところがないじゃないか。 璽光様が当局の....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
上し、右手山際に、景行、崇神両帝の陵をすぎ、石上神宮があって、やがて現代教祖のお
筆先賑う丹波市となるのである。 いわば吉野も、この古の道の支線の一ツだ。伝に曰....
「東京文壇に与う」より 著者:織田作之助
、私は中央公論の読者諸君に申しあげたい。(中略)諸君は、小説家やジャーナリストの
筆先に迷って徒らに帝都の美に憧れてはならない。われわれの国の固有の伝統と文明とは....