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筆紙
「筆紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筆紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「船医の立場」より 著者:菊池寛
ような気になっていた。 ふと見ると、笑った青年は、手で字をかく真似をしながら、
筆紙をくれという意味を示した。ワトソンは、懐中を探って一本の鉛筆を探り当てた。が....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ーヴで作り上げた美しい詩になってしまうのである。 もちろんそういうことは、何ら
筆紙に書き残された典拠のない場合のことである。しかしそんなものの存するためにはか....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
いう報を受取って、京都へ飛んで行き、やがて帰って来た時の、彼の歓喜雀躍ぶりは到底
筆紙に尽せる所ではなかった。 僕が喜びに行くと、彼は僕に抱きつかんばかりにして....
「運命」より 著者:幸田露伴
文、蓋し少時の為る所なり。嗚呼、運命|遭逢、又何ぞ奇なるや。二十余年の後にして、
筆紙前に在り。これに臨みて詔を草すれば、富貴我を遅つこと久し、これに臨みて命を拒....
「のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
をふきながら、仲よく揃って、ぶくぶくと波間に沈み去ったその壮観たるや、とても私の
筆紙に尽し得るものではなかった。 ロッセ氏は、映幕の前に、金博士の手を握り、子....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
の嵐に吹きちぎられて、みる間に、どろどろと怒れる波間に吸いこまれてゆく。 到底
筆紙に書きあらわせない暗夜海上の大惨劇であった。 生存者は幾人あるだろう。おそ....
「流線間諜」より 著者:海野十三
そこに皺くちゃになった一本の莨を発見した。それに火をつけて吸いはじめたが、それは
筆紙に尽されぬほど美味かった。凍りついていた元気が俄かに融けて全身をまわりだした....
「空襲警報」より 著者:海野十三
た。尊い勇士たちの出陣だから……。 後車へ飛びこんでみると、そのむごたらしさは
筆紙につくされないほど、ひどかった。とても、ここに書きしるす勇気がない。どうして....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
合に神々がはげしい御力を発揮される場合には荘厳と言おうか、雄大と申そうか、とても
筆紙に尽されぬ、あの怖ろしい竜姿をお現わしになられます。一つの姿から他の姿に移り....
「決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
なめずりしながらシャニムニ余を旅館へ引きあげたが、さすがにいささか気が咎めてか、
筆紙を取りよせて一句示した。 身は童貞にして清風あふれ 千軍万馬退くを知....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
つのものに化してしまって、さながらに厳然たる人格と心格を築き出します。この境涯は
筆紙言舌の限りではありません。 この境涯では、人が面を着けているなどいう、そん....
「秘密の相似」より 著者:小酒井不木
とは、あなたを御慕い申し上げて居る私にとって、どんなに嬉しく且つ恥かしいか、到底
筆紙のよく尽すところでは御座いません。両親もほっと一安心致しましたが、御仲人様に....
「妖怪学」より 著者:井上円了
ころのものを集めんとせしも、十中八九は失念して再現すること難きを知りたれば、毎夜
筆紙を枕頭に置き、わずかに醒覚することあれば、ただちにその夢みしものを記載して、....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
はまだ講堂がなく、当時なお七堂伽藍再興の途中である事実を発見した時の快感は、到底
筆紙に尽しがたく、思わず手を拍って躍り上り、したたか家人を驚かしたものだった。所....
「西航日録」より 著者:井上円了
船に至る。当夜四面雲晴れ、明月天に懸かり、波間の清数点の船灯と相映じ、湾内の風光
筆紙のよく尽くすところにあらず。余、船中にありて「阜頭明月情如満、不照江山照我心....