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「筆者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

筆者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
間へ伝えられ、それがまた次第に諸方へひろまって、ついには何十年か後に、この記録の筆者の耳へもはいるような事になったのである。もし筆者の言をそのまま信用すれば「ふ....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
たくなった。停車場を、もう汽車が出ようとする間際だったと言うのである。 この、筆者の友、境賛吉は、実は蔦かずら木曾の桟橋、寝覚の床などを見物のつもりで、上松ま....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、のう、手頃には参らぬ。」 と云った。神に使うる翁の、この譬喩の言を聞かれよ。筆者は、大石投魚を顕わすのに苦心した。が、こんな適切な形容は、凡慮には及ばなかっ....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
、近く歩を入るるには惜いほどだったから…… 私は―― (これは城崎関弥と言う、筆者の友だちが話したのである。) ――道をかえて、たとえば、宿の座敷から湖の向....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
の末に捕えらるれば、到底真理を掴むことはできない。全体と交渉なき局部的の意見は、筆者の思想を窺うのには役立つが、われ等の信仰問題とは没交捗である。二千年、三千年....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
、貧乏徳利の転った中に、小一按摩は、夫人に噛りついていたのである。 読む方は、筆者が最初に言ったある場合を、ごく内端に想像さるるが可い。 小一に仮装したのは....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
す、袴を穿いた殿様だと思えばそれでも可いでしょう。 それから……水中に物あり、筆者に問えば知らずと答うと、高慢な顔色をしても可いんですし、名を知らない死んだ人....
あゝ二十年」より 著者:上村松園
た当時は、皇太后陛下がまだ皇后陛下でいらせられた際のことであり、考えてみますと、筆者の私としましても深い感慨に打たれまして、まことに恐懼の念に堪えないしだいでご....
絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
ないような精細確実な処にあるのではなくて、軽妙洒脱な筆の味ばかりでもなく、時には筆者さえも予想しなかったような、勢いに乗じて出来た妙味があります。この筆勢の妙味....
迷彩」より 著者:上村松園
人は胡魔化しきれるものでないと思います。いずれにしましても、結局迷惑を被むるのは筆者です。そんな物が幸いに発見されたとしても、まさか現在の所有者から、その作品を....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
舎芸術家達の間に、サンザン首をひねらしたものである。 それから半歳も過ぎた頃、筆者はたまたま郷里博多へ帰っていた。旅行好きの次兵衛がひょっこり旅から帰って来て....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
ず申伝えられましたるゆえ――とこの趣であった。 ――樹島の事をここに記して――筆者は、無憂樹、峰茶屋心中、なお夫人堂など、両三度、摩耶夫人の御像を写そうとした....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
言ったと聞く。 「再びする談話を、快く聞く彼の女には、 汝、愛されたるなり。」筆者は、別の意味だが、同じ心で聞入った。…… 「朝顔の簪をさしていました。―― ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
小石川|白山のあたりに家がある。小山|弥作氏、直槙は、筆者と同郷の出で、知人は渠を獅子屋さんと渾名した。誉過ぎたのでもありません、軽く....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
銃。 晃然と霜柱のごとく光って、銃には殺気紫に、莟める青い竜胆の装を凝らした。筆者は、これを記すのに張合がない。なぜというに、咄嗟に拳銃を引出すのは、最新流行....