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筆耕
「筆耕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筆耕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
す」 森「フム、けちな蝋燭屋だ」 文「お父さんは何をしておいでだえ」 娘「
筆耕書《ひっこうかき》でございます」 森「なんだとシッポコかきだとえ」 文「....
「野分」より 著者:夏目漱石
は非難するような賛成するような返事をする。 「しかし文学士は名前だけで、その実は
筆耕《ひっこう》だからな。文学士にもなって、地理教授法の翻訳の下働《したばたら》....
「奥様探偵術」より 著者:夢野久作
出している…… ……同時に個人としては、外交員、勧誘員、施術師、写真師、画家、
筆耕、家政婦、派出婦、看護婦、なんぞの怪しげな名刺や印刷物、もしくは本物のタイプ....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
勘当せられ、江戸に来て渋江氏へ若党に住み込んだ。手跡がなかなか好いので、豊芥子の
筆耕に傭われることになっていた。それゆえ鎌倉屋への使に立ったのである。 森|枳....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
星座の各員が陣を構え、塞頭高らかに、我楽多文庫の旗を飜した、編輯所があって、心織
筆耕の花を咲かせ、綾なす霞を靉靆かせた。 若手の作者よ、小説家よ!……天晴れ、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
写をさせて、それを借方《かりかた》へ廻しているということはこの前に聞いたが、その
筆耕が足りないことを本屋がこぼしている。お雪ちゃんはその書き本を手に取ってめくっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
その折助として雑多な性格を見ることができるのであります。 そのなかには、貸本の
筆耕をして飲代《のみしろ》にありついているのもありました。四書五経の講義ができる....
「珊瑚」より 著者:田中貢太郎
った大成の家では、痩せた幾畝かの田地を作っていたが、たべるに足りないので、大成は
筆耕をやり、珊瑚は針仕事をして、それをたのみにしていた。 二成の方では足りない....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。大変フームと思いました、あなたについてもよ。面白く思いました。
規約のこと、
筆耕テンポのこと、承知いたしました。規約は又写しましょう。その方がはっきりしてよ....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
まで、各種の新聞雑誌の編集室へ、お百度を踏みながら、相も変わらぬ仏文の翻訳だとか
筆耕の口だとかを、あとからあとからと懇願する以外には、なんのいい思案も浮かばない....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ありがたくもない職業――であった。彼女はなおも少し稼《かせ》ぐために、晩にはある
筆耕取次所の仕事をした。そこの人たちはきわめて手きびしかった。彼女の筆跡はまずか....
「端午節」より 著者:井上紅梅
」 彼女は遂にべつの道を求めた。 「何か他の方法といっても、乃公は『筆の上では
筆耕生にもなれないし、腕力では消防夫にもなれない』、別にどうしようもない」 「あ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
の始る前の年の夏の終りであつた。彼はまだ外国語学校に籍はおいていたが、家庭教師、
筆耕、翻訳の手伝いなどの収入で、少しでも家の負担を軽くしようと、それこそ青春の誘....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
写したものでありますが、伝写がかさなっているらしく、草行まじりで、丁寧だけれども
筆耕が辿々しい。第一、目録が目線であります。下総が下綱だったり、蓮花が蓬の花だっ....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
たものが、忽にして生活は一|変し、朝から晩まで、安値の報酬で学科を教授するとか、
筆耕をするとかと、奔走をしたが、それでも食うや食わずの儚なき境涯。僅な収入は母の....