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筆跡
「筆跡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筆跡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
度そこの店から巻紙《まきがみ》を買って、硯箱《すずりばこ》を借りて、男恥ずかしい
筆跡で、出発前にもう一度乳母を訪れるつもりだったが、それができなくなったから、こ....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
ただきましたが……なんでも、余り達筆ではございませんでしたが、それでも一生懸命な
筆跡で…… 御|贔屓の奥様。 いきさつは御実家の旦那様からお伺いいたしました。私....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
行くだけでも、その面倒は容易でなかった。殊に長い年代にわたっているのであるから、
筆跡も同一ではない。折れ釘のような男文字のなかに糸屑のような女文字もまじっている....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たにしても、あの創紋を彫るなどとはとんでもない妄想さ。そろそろダンネベルグ夫人の
筆跡も幻覚に近くなったかな」と思う壺らしい結論を云ったけれども、しかし彼の心中に....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
って、母は手に持っていた大きな厚ぼったい書類袋を差出した。 それには父の儀造の
筆跡で、 二川家に関する書類 と書いてあって別に朱で「厳秘」と書き添えてあった....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
月三日祈願”という具合に、一つ一つ日附が書いてあった。また函の一番奥には、工藤の
筆跡《ひっせき》で、“岡部伍長殿の地下戦車完成|大祈願《だいきがん》。その日まで....
「地球要塞」より 著者:海野十三
違いなく、私は三角暗礁へ戻ってきたのだ。だが、私の日記文のあとに、もう一行、私の
筆跡でない記事が書きつけられてあった。 “○月○日、黒馬博士艇は、X大使の救助を....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
まった指の跡が、点々としてついている。そしてそこには鉛筆で、走書がしてある。その
筆跡は、いかにもたどたどしい。たどたどしいというよりも、気がかーっとしていて、夢....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
* 堀保子宛・明治四十二年二月一日 手紙見た。ちょうど四カ月目に懐かしい
筆跡に接したので非常に嬉しかった。今日は雑誌の発刊についてというので臨時発信の許....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
の空行に、次の数句の詩が記されてあったのである。 それは、明らかにウルリーケの
筆跡であって、インクの痕もいまだに生々しかった。彼女は自分の夢を、この章句の下に....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
場の女中の話によると、その遺書は、わずか五、六分の間に認められたのだし、むろん、
筆跡には寸分の相違もないし、そうこうの事で、左枝検事はポンと辞表を投げ出してしも....
「迷信解」より 著者:井上円了
と名づくる一種の相法がある。これは相書あるいは相字法と名づくべきものにして、人の
筆跡を見て吉凶の判断を下す法である。書は人の性質をあらわし、書を検してその人の気....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
しても、みな屈指の大茶人のように万人に知られた人々である。それだけにその遺された
筆跡を見ては意外の感を深くするのみである。いずれ劣らぬしっかりした書ではあるが、....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
き東へと行き、英盆川のほとりに沙翁の跡を訪ねた。依然として三百年前の遺跡が存し、
筆跡はなお香りたって故屋に満ちる思いがした。) 十八日、晴れ。理学の泰斗ニュー....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
百五十六頁にある楽譜は、原著者が同論文の余白にみずから書き添えて訳者におくられた
筆跡に拠った。 ○『手記』抄訳の原本は Ludwig van Beethoven....