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筋目
「筋目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筋目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
て来てしまいましたの」
愛子はふだんの無口に似ずこういう事を話す時にはちゃんと
筋目が立っていた。葉子には愛子の沈んだような態度がすっかり読めた。葉子の憤怒は見....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
……やいやい抜け抜け! さっさと抜け! そうして景気よく斬り込んで来ねえ。太刀の
筋目を見届けてやらあ。……おやおやどうしても抜かねえな。変に人|焦しの野郎じゃね....
「嵐」より 著者:島崎藤村
。登れば登るほど青く澄んだ山の空気が私たちの身に感じられて来た。旧い街道の跡が一
筋目につくところまで進んで行くと、そこはもう私の郷里の入り口だ。途中で私は森さん....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
りドッとした縁辺でもなかった。新吉の家は、今はすっかり零落しているけれど、村では
筋目正しい家の一ツであった。新吉は七、八歳までは、お坊ちゃんで育った。親戚にも家....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
義理のために死を致す事、これ弓馬の家のならい、むかし摂州伊丹に神崎式部という
筋目正しき武士がいた。伊丹の城主、荒木村重につかえて横目役を勤め、年久しく主家を....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
から下は灰色で、上は黯緑だ、黯縁の偃松は、山の峰へ峰へと、岩石を乗り越え、岩壁の
筋目へと喰い入り、剃刀のような脊梁を這って、天の一方へと、峰のそそり立つところま....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
のをフシギに思いあそばしたことはございませんか」 「悪事をなさるお方のフルマイに
筋目が立たないからとフシギがるほど子供でもございません」 「兄は三ヶ月前から行方....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
へおいでなさりませ。……あるいは貴郎様におかれましては、秀頼公に太閤様が、豊臣の
筋目や関白職を、お譲りなさろうと覚し召して、それで貴郎様を伏見へ呼び寄せ、殺すの....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
が、まだ美しゅうございます。お遊びにおいでくださいまし。……吉田玄蕃様の一族で、
筋目正しいお父様も、根岸に近い藪畳で、初夏の雨の降る寂しい晩に、人手にかかって殺....
「神経」より 著者:織田作之助
味悪がった。「花屋」へ来る女優たちは皆その娘の噂をしていた。いつも一階の前から三
筋目の同じ席に来ていたので、いつか顔を見知っていただけに、一層実感が迫るのであろ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
場合を「動中の工夫」と言います。平常無事の際も、非常危急の場合も、落付いて物事の
筋目を見究め、同時に自分の心の動きを観察して行かなければいけません。これをまず仏....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
「鍛冶・番匠の様なる云甲斐なき者」と云い、「当道要集」に、「舞廻・猿楽等の賤しき
筋目の者」というが如き、ともかくこれらの徒が賤者と見られていた事は疑いない。それ....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
の輩である。盲僧たる琵琶法師の徒は、常に高く自ら標持して、舞々・猿楽の如き賤しき
筋目の者とは同席せぬとまで威張っていたものであった。しかるにこの頃検校の僧官を有....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
八島は、本郷の外に出八島と大夫との三つの在所に分かれ、その大夫村は唱門師の類で、
筋目よろしからぬ故に本郷より賤しめられていた(『淡海木間攫』)とある。 唱門師....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
よっては、必ずしもそうとのみは参りませんでしたが、ともかくエタと非人との間には、
筋目において区別があるものの如く考えられておりました。しかるに古い時代には、非人....