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筋道
「筋道〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筋道の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ていた。草原の上には一本の樹木も生えていなかった。心細いほど真直《まっすぐ》な一
筋道を、彼れと彼れの妻だけが、よろよろと歩く二本の立木のように動いて行った。
....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
しばらくの間は野が広々として、さっき通った本街道よりもっと幅の広い、なだらかな一
筋道。
心持《こころもち》西と、東と、真中《まんなか》に山を一ツ置いて二条《ふ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
おおいかかろうとしていた。私は始終私自身の力を信じていいのか疑わねばならぬかの二
筋道に迷いぬいた――を去って、私には物足らない都会生活が始まった。そして、目にあ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
en ではない。二つの道の間に選ぶためにこそ努力は必要とせられるけれども、唯|一
筋道を自由に押し進むところに何の努力の助力が要求されよう。 私は創造の為めに遊....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
もちろんこのような宇宙始源に関する観念を形成しようとする最初の試みにおいて、余り
筋道の立った高級なものを期待するわけにはゆかないのであるが、しかしかえってこれら....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
うけれど、それは人をもって話のしようはいくらもある。これまでは親兄弟に対してよく
筋道の立ってたお前、このくらいの道理の聞き判らないお前ではなかったに、どうもおれ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
母さんにそう言ってもらおう、僕も男だから、おッ母さんに約束したことは、お前の方で
筋道さえ踏んで来りゃア、必らず実行する。しかしお前の身の腐れはお前の魂から入れ変....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
めるのではありません。私の申すことが、少しなりともお分りになりましたら、あのその
筋道の分らない二三の丸、本丸、太閤丸、廓内、御家中の世間へなど、もうお帰りなさい....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
がれるようになった動機やこの間の苦悶に思いを運ぶと、とてももう静かに頭の中で話の
筋道をたてて見るなどいうことは出来なくなってしまうのであった。そして思いはただい....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
一廓を作した貧乏町。思い思い、町々八方へ散ばってるのが、日暮になれば総曲輪から一
筋道を、順繰に帰って来るので、それから一時騒がしい。水を汲む、胡瓜を刻む。俎板と....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
……あなたの誘い出しのお上手なのにはほんとうに困って了います……。ではホンの話の
筋道だけつけて了うことに致しましょう。現世の人間としては矢張り現世の話に興味を有....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
後に於ても依然として残存する。故意に犯せる罪悪の流れは、どこまで行っても、因果の
筋道を辿りて消ゆることがない。これは悲哀と恥辱とを以て償わねばならない。 これ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
られてウカウカ読んでる時はほぼ輪廓を掴んでるように思うが、細かに脈絡を尋ねる時は
筋道が交錯していて彼我の関係を容易に弁識し難い個処がある。総じて複雑した脚色は当....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
たいから、二里ばかりも山へ入込んで泊ったのです。別に目立った景色もありません、一
筋道の里で、川が、米町川が、村の中を、すぐ宿の前を流れますが、谿河ながら玉を切る....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
雪路のことが夢のように思われたから、自分でもしっかり気を落着けるため、それから、
筋道を謂わないでは、夜中に婦人ばかりの処へ、たとえ頼まれたッても変だから。 そ....