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筒
「筒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
筒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
《かど》に立っているポスト。ポストはいつか透明になり、無数の手紙の折り重なった円
筒の内部を現して見せる。が、見る見る前のようにただのポストに変ってしまう。ポスト....
「父」より 著者:芥川竜之介
う》を巻いて左の肩からかけて、麻のゲエトルをはいて、腰に弁当の包《つつみ》やら水
筒やらをぶらさげている。
能勢は、自分と同じ小学校を出て、同じ中学校へはいった....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
時折来る訪問客に気が紛《まぎ》れて、さほど寂しいとは思わなかった。が、やがて竹の
筒《つつ》を台にした古風なランプに火が燈《とも》ると、人間らしい気息《いぶき》の....
「母」より 著者:芥川竜之介
け笑いながら、何本か手紙を男へ渡した。と同時に湯帷子《ゆかた》の胸から、桃色の封
筒《ふうとう》にはいっている、小さい手紙を抜いて見せた。
「今日は私にも来ている....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
の御顔を御見つめになりました。が、大殿様はまるでその御声が聞えないように勢いよく
筒《とう》を振りながら、
「今度もこの方が無地勝《むじがち》らしいぞ。」とさりげ....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
美しいシルク・ハットをありありと目の前に髣髴《ほうふつ》した。シルク・ハットは円
筒《えんとう》の胴に土蔵の窓明りを仄《ほの》めかせている。そのまた胴は窓の外《そ....
「影」より 著者:芥川竜之介
った後《のち》、陳は灰皿に葉巻を捨てて、机の上の封書を取上げた。それは白い西洋封
筒に、タイプライタアで宛名を打った、格別普通の商用書簡と、変る所のない手紙であっ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
」
叔母はその封書を開く前に、まず度《ど》の強そうな眼鏡《めがね》をかけた。封
筒の中には手紙のほかにも、半紙に一の字を引いたのが、四つ折のままはいっていた。
....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
ぬと、なおも重玄を刺《さ》さんとせし所へ、上様にはたちまち震怒《しんど》し給い、
筒《つつ》を持てと御意あるや否や、日頃|御鍛錬《ごたんれん》の御手銃《おてづつ》....
「死後」より 著者:芥川竜之介
た。オルガンは内部の見えるように側面の板だけはずしてあり、そのまた内部には青竹の
筒が何本も竪《たて》に並んでいた。僕はこれを見た時にも、「なるほど、竹
筒でも好い....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
光に、かすかな虹《にじ》を描いていた。娘は身をかがめながら、苔蒸《こけむ》した井
筒《いづつ》に溢《あふ》れる水を素焼《すやき》の甕《かめ》へ落していたが、ほかの....
「少年」より 著者:芥川竜之介
保吉一人を例外に、あとはことごとく紺飛白《こんがすり》や目《め》くら縞《じま》の
筒袖《つつそで》を着ているのである。
これは勿論国技館の影の境内《けいだい》に....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
本のマニラに火をつけ、夜もすがら気楽に警戒しよう。もし喉《のど》の渇いた時には水
筒のウイスキイを傾ければ好い。幸いまだポケットにはチョコレエトの棒も残っている。....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
、そんな人間の存在は私の心をほとんど動かさないのである。が、ふと手にした一枚の封
筒が私をはッとさせた。封
筒の上には大きな文字で太く私の名が書かれてある。それを見....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
苦しむ。無罪だ』と述べたが懲役五ヵ月をくった。 獄中でゲタの鼻緒の芯をない、封
筒はりをしたが、獄房の中へもシャバのタヨリが伝わってくる。ある房から新潟県の木崎....