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算
「算〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
算の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
一つずつ静かに落ちはじめる。
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斜めに見える自動計
算器。計
算器の前には手が二つしきりなしに動いている。勿論女の手に違いない。それか....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
牌《かんばん》、「駕籠《かご》」の掛行燈《かけあんどう》、「卜筮《ぼくぜい》」の
算木《さんぎ》の旗、――そういうものが、無意味な一列を作って、ただ雑然と彼の眼底....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
余りの事に、魂も消えるかと思ったのでございましょう。驚破《すわ》と云う間もなく、
算《さん》を乱して、元来た方へ一散に逃げ出してしまいました。が、盗人たちはそれに....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
に派手《はで》な縞の背広を着た若い男がいて、これも勝美夫人の会釈の相手をさがす心
算《つもり》だったのでしょう。※《におい》の高い巻煙草を啣《くわ》えながら、じろ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
のは妙に恐ろしい気を起こさせるものです。僕はもちろんできるだけ、だれにも会わない
算段をしました。が、我々人間にもいつか次第に慣れ出したとみえ、半年ばかりたつうち....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
と》で暗打ちに遇《あ》った。平太郎は知行《ちぎょう》二百石の側役《そばやく》で、
算筆《さんぴつ》に達した老人であったが、平生《へいぜい》の行状から推して見ても、....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
う旗が、ある格子戸造《こうしどづく》りの家に出してあるのが眼に止まった。その旗は
算木《さんぎ》を染め出す代りに、赤い穴銭《あなせん》の形を描《か》いた、余り見慣....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
母は病気の孫がすやすや眠り出したのを見て、自分も連夜の看病疲れをしばらく休める心
算《つもり》だったのでしょう。病間《びょうま》の隣へ床《とこ》をとらせて、珍らし....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
七時半だった。僕は食事をすませた後、薄暗い船室の電灯の下《もと》に僕の滞在費を計
算し出した。僕の目の前には扇が一本、二尺に足りない机の外へ桃色の流蘇《ふさ》を垂....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
りで三味線《しゃみせん》を弾《ひ》いたり踊ったりする、その割《わ》り前《まえ》の
算段さえ一時はお松には苦しかったそうです。しかし半之丞もお松にはよほど夢中になっ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
も代払《だいばら》いの厄に遇った。そのほかまだ何だ彼《か》だといろいろな打撃を通
算したら、少くとも三万円内外は損失を蒙《こうむ》っているのに相違ない。――そんな....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
。お前は私を何だと思っているのだえ。私はまだお前に欺される程、耄碌はしていない心
算だよ。早速お前を父親へ返せ――警察の御役人じゃあるまいし、アグニの神がそんなこ....
「狂女」より 著者:秋田滋
分から進んで起きんようじゃったら、吾輩のほうにも考えがある。厭でも独りで歩かせる
算段をするからな」 しかし彼女は身動きひとつしなかった。相手の姿などはてんで眼....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
させた。」 チンダルが書いた本には、このときの事情がくわしく出ている。収入の計
算書までも調べたところが中々面白いので、多少重複にはなるが、そのままを紹介しよう....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
位いには驚きません。歌論は歌論へ、秋月は歌心へ、帰り行く友を送ってそこらまでの心
算がやがて博多の街つづきである箱崎になんなんとする地蔵松原――二里余もつづく千代....