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節奏
「節奏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
節奏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
質をぐるぐる捲き付けて、動けなくでもしてしまいそうな、なにかしら一つの、怖ろしい
節奏《リトムス》があるように思われるのだった。それが、彼らを戦《おのの》かせ、狂....
「道草」より 著者:夏目漱石
う音が、秒を刻む袂時計《たもとどけい》の音と錯綜《さくそう》して、彼の耳に異様な
節奏を伝えた。それでも彼は我慢して、するだけの仕事を外でした。 十 彼は例刻に....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
せりふ》は日本語である。西洋語を日本語に訳した日本語である。口調には抑揚がある。
節奏もある。あるところは能弁すぎると思われるくらい流暢《りゅうちょう》に出る。文....
「カーライル博物館」より 著者:夏目漱石
舌《しゃべ》っているようである。しかもその流暢《りゅうちょう》な弁舌に抑揚があり
節奏《せっそう》がある。調子が面白いからその方ばかり聴いていると何を言っているの....
「河明り」より 著者:岡本かの子
。何処でも町のあるところには必ず川が通っていた。そして、その水煙と水光とが微妙に
節奏する刹那に明確な現実的人間性が劃出されて来るのが、私に今まで度々の実例があっ....
「浮世絵の曲線」より 著者:寺田寅彦
着するのではないかと私には思われる。 黒白の切片の配置、線の並列交錯に現われる
節奏や諧調にどれだけの美的要素を含んでいるかという事になると、問題がよほど抽象的....
「糸車」より 著者:寺田寅彦
のような所から、この綿弓の弦の音が聞こえてくることがあった。それがやはり四拍子の
節奏で「パン/\/\ヤ」というふうに響くのであった。おそらく今ではもうどこへ行っ....
「小浅間」より 著者:寺田寅彦
ら見た山々の形態とその排置とには異常に多様複雑な変化があって、それがここの景観の
節奏と色彩とを著しく高め深めているように思われた。 まわりに落ち散らばっている....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
うのはやがて満潮を待つということになる、また書紀の、「庚戌泊」という具合に流動の
節奏を以て緊めて、それが第二句と結句である点などをも注意すべきである。結句は八音....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
息の、曇ってかつ消えるように掠めて行く。つまりこういう作中の名句には、王朝の世の
節奏がおのずから現われていて、殊に作者の心から発しる一種の靭やかな身振が、読者の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
調の上に、急調の律動《リズム》が激しい愉悦をもって飛び出してくる。そしてそれらの
節奏《リズム》のまにまに、棚《たな》に葡萄蔓《ぶどうづる》がよじ上るように、種々....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のある懇篤な学者的なドイツの思想、熱情的なイタリーの旋律《メロディー》、細やかな
節奏《リズム》と柔らかい和声《ハーモニー》とに富んでるフランスの敏才、などが結合....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
じめたからである。 それはどこかから、チャリンチャリンと楽玻璃のように、一定の
節奏をもって、快い玻璃の音が響いてくるのであった。 「ねえ友田屋、どうやらこれか....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
け二の矢を継がんとするお霜を尻目にかけて俊雄はそこを立ち出で供待ちに欠伸にもまた
節奏ありと研究中の金太を先へ帰らせおのれは顔を知られぬ橋手前の菊菱おあいにくでご....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
群は
不精々々に互に響を合せているに過ぎない。
そのいつも一様に流れて行く列を、
節奏が附いて動くように、賑やかに句切るのは誰ですか。
一つ一つに離れたものを総て....