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「築造〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

築造の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
松江印象記」より 著者:芥川竜之介
防いで嫁が島の風趣を保存せしめるためであるとすれば、かくのごとき無細工な石がきの築造は、その風趣を害する点において、まさしく当初の目的に矛盾するものである。「一....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
場と呼んだ。もちろん急場凌ぎに発行したものであるから、銀の質はすこぶる悪い。台場築造はなかなかの難工事であるので、人足の手間賃も普通より高く、一日一朱という定め....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
経験によって洪水の際には泥土の層が沈澱することが知られており、この物はいろいろな築造の用途に都合の良い性質によって特別の注意を引かれていたものである。タレース(....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
「秘密も秘密、公儀|御法度の兵糧倉と武器倉を二カ所にこしらえ、巧みな砦塞すらも築造中なのでござります。そればかりか城内二ノ廓にも多分の兵糧弾薬を秘かに貯え、あ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ろから来ている。いずれは鉄道線通過のはじめにありがちな、頑固な反対説と、自然その築造を妨げようとする手合いの輩出することをも覚悟せねばならなかった。山家の旅籠屋....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
屋根、長方形の箱を、手品師の手際で累積したようなアメリカ式鉄筋コンクリートの高層築造物は、垂直の圧力を通行人の頭上に加えて虚空の「通せん坊」をしあっている。人の....
地図をながめて」より 著者:寺田寅彦
。重要な官衙や公共設備のビルディングを地上百尺の代わりに地下百尺あるいは二百尺に築造し、地上は全部公園と安息所にしてしまう。これならば大地震があっても大丈夫であ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
はあ、また貴様の口頭試問がはじまったな。俺は飛行島を少しも気にしていないよ。ただ築造中の飛行島を見て、ちょっと驚きたいと思っているばかりさ。それとも貴様はなにか....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
り合い馬車が一つ、砦《とりで》の頂にむりやりに引き上げられ、あたかも荒々しい砦の築造者らが恐怖に悪戯を添えんと欲したかのように、その轅《ながえ》をいたずらにある....
保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
。いと簡単の如くであるが、それをすることができないのだ。五年間、全力をつくしての築造物だ。いと簡単にそれをくずせるものではない。そのために考えこんでしまったので....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
な建築物。一〇七八年に建築され始め、後次第に増築されたのである。初めは城廓として築造され、王宮として用いられた時代もあったが、永い間政治犯の牢獄として用いられて....
純情狸」より 著者:佐藤垢石
れど、茂林寺の近所の邑楽郡地方には、今でも盛んに出没している。殊に、内務省直轄で築造した渡良瀬川の堤防には、狸の穴があちこちにあって、村の人は、しばしば狸汁に舌....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
台など築きたるその上に、更らに兵庫の和田岬に新砲台の建築を命じたるその命を受けて築造に従事せしはすなわち勝氏にして、その目的は固より攘夷に外ならず。勝氏は真実の....
人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
は、神に対する誠意を披瀝する意味においていかがであろう。永代を期するこの大城郭の築造において、そんな所謂間に合せが行われたとは信ぜられない。昔の所謂人柱とか人身....
五重塔」より 著者:幸田露伴
が宮を作り堂を受け負い、見るものの眼から見れば建てさせた人が気の毒なほどのものを築造えたを見るたびごとに、内々自分の不運を泣きますわ、お上人様、時々は口惜しくて....