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「篤い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

篤いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球発狂事件」より 著者:海野十三
士のすぐ後ろにぴったり寄り添うようにして歩いている。博士の右隣には、博士の信任の篤いオーキー学士が、水中電話機を背負って、たえず水面に待機している掃海艇サンキス....
蠅男」より 著者:海野十三
笑いをするばかりだった。もちろんそれは、村松検事が病人の気を引立ててやろうという篤い友情から出発していることであった。 「あの犯人は、一体何者です」 「皆目わか....
田舎教師」より 著者:田山花袋
しそうににこにこしている。寺の本堂に寄宿しているころは、清三は荻生さんをただ情に篤い人、親切な友人と思っただけで、自分の志や学問を語る相手としてはつねに物足らな....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
ところが、その約束の期日に一人も残らず帰って来たので、太宗は彼らが義を守ることの篤いのを感歎して、ことごとくこれを放免してやったという「資治通鑑《しじつがん》」....
風に乗って来るコロポックル」より 著者:宮本百合子
ものか。 イレンカトムは、深い感謝の言葉を述べながら、双手《もろて》を捧げて、篤いアイヌ振りの礼をした。 けれども。長い髭を撫で下した彼の手が、その先を離れ....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
は、その時に翁の胸を打った或るものが籠められていたことがわかる。歌道を嗜み礼儀に篤い翁が、一切をつくした名文ではなかったろうかと思われる。 こうした純芸術家肌....
火薬船」より 著者:海野十三
縛り直したり、それからハルクの口を割って気つけ薬を入れてやったりした。 その手篤い看護が効を奏したのか、それとも竹見の友情が天に通じたのか、ハルクはすこし元気....
弟子の心」より 著者:宮本百合子
沈黙のうちに、私は全く先生への尊敬と帰服とを感じ、先生が、自分にかけていて下さる篤い心を、日光に浴すように真心から感じていたのである。 あの時分――女学校の四....
田七郎」より 著者:田中貢太郎
を聞くのみであった。武の家の者は七郎の礼儀を知らないのを怪しんだが、武はその誠の篤いのを喜んでますます厚遇した。それから七郎はいつも三、四日武の家に滞在していく....
呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
筆俳句がある。「瓜茄子命があらば三年目」というのである。正岡先生はこの時既に病の篤いのを知っておられた。三年の後呉先生の帰朝されて再たび面会された時、相互のその....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いです。長兄の奥さんは私の身を思いやって見舞まで心配されました。そういう人たちの篤い心からはなれたのは、その女の人の自身の責任ではないでしょうか。 こんなこと....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
いるので! ……姐ご、巻き奉書だ! 目付かったんだ!」 「金ちゃん、紋也さんが危篤いんだよ」 「紋也※ 知らない! 知りませんねえ!」 「途中で悪者に襲われてね....
怪談綺談」より 著者:小酒井不木
を叩く ドイツの話である。ある重病の女患者が久しく床について、彼女の一人娘に手篤い看護を受けていた。 母一人、子一人のことであるから、娘は必死になって介抱に....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ました。すると大変に感心して、シナの坊さんというものはそんなに道徳心即ち菩提心の篤いものであるかと大いに悦んで随喜の涙に咽びました。で、その夜はどうか説教をして....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
隊の併用である。 散兵や縦隊は決して新しいものではない。墺国の軽歩兵(忠誠の念篤いウンガルン兵等である)はフリードリヒ大王を非常に苦しめたのであり、また米国独....