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簇り
「簇り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
簇りの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
かった上品な墓だ。頭の上ではほろろと鳥が啼き名も知れぬ白い、小さな草花があたりに
簇り咲いていた。尊き哲学者を想うこころは、私をしてその墓の前に半時間あまりも蹲ら....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
町立病院の庭の内、牛蒡、蕁草、野麻などの
簇り茂ってる辺に、小やかなる別室の一|棟がある。屋根のブリキ板は錆びて、烟突は半....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
僧が一枚々々拭いていると、和尚さんはそばで桑切り庖丁で丹念に細く刻む。 蚕の上
簇りかけるころになると、町はにわかに活気を帯びてくる。平生は火の消えたように静か....
「四十八人目」より 著者:森田草平
悴しきった顔をして、ぼんやり両国の橋の袂へ出てきた。 見ると、橋の袂の広場に人
簇りがしている。怪しげな瓦版売りが真中に立って、何やら大声に呶鳴っているのだ。―....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
鳥獣ばかりとは限らない。彼女が駈け歩いた峰や沢や山畑の遠方此方から、忽ちにして、
簇り集まって来た人間は、二十名以上もある。 しかもその行動には、訓練があった。....