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簡勁
「簡勁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
簡勁の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
わす上古埃及の分数数字だとしたら、僕の想像もまんざら妄覚ばかりじゃあるまいね」と
簡勁に結んで、それから鎮子に云った。「勿論、死語に現われた寓意的な形などというも....
「南路」より 著者:宮本百合子
の奇怪な叢生が珍しい許りではない。無限の砂地とそこここに聳えるテーブル・ランドが
簡勁な線で我々を魅するものでもない。 砂漠には、一瞬も停止することない色彩の顫....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
結跏趺座して弥勒の印を結びたるが、作者の自像かと思わるる節あり。全体の刀法|頗る
簡勁、雄渾にして、鋸歯状、波状の鑿痕到る処に存す。底面中央に、極めて謹厳なる刀法....
「文学における古いもの・新しいもの」より 著者:宮本百合子
の立体面を余りこまかい網でかぶせてしまい、ついに作品を作者があらわすよりは遙かに
簡勁でないものとしてしまっている。 作者はこの「風雲」において、主題の継承化の....
「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」より 著者:宮本百合子
犯しつつ、不安の文学を提唱したのであった。 深田久彌のように、作品の上ではある
簡勁さを狙っている作家も、この問題に対しては、自分が日常生活ではスキーなどへ出か....
「バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
趣味でロマンティックな題材と情熱とを、厳しく選択して理性的に配置した文章の鮮明な
簡勁な輪廓の中にうちこんでいる。メリメの作品の力と欠点とは整然とした描写の統制の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れを後にしては紅葉、漱石の才人も出て来ない。況《いわ》んや上代の古朴《こぼく》、
簡勁《かんけい》、悲壮、優麗なる響きは微塵《みじん》もなく、外国の物質文明を吸収....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ふけったことは既に言うことを須いない。この歌は人麿と同時代であろうが、人麿に無い
簡勁にして静和な響をたたえている。 額田王は右の御歌に「古に恋ふらむ鳥は霍公鳥....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
うしてあれだけの品位を添えて、他と全く区別されるのか、やはり分らない。無駄を避け
簡勁を旨とする鴎外の文章に煩しい修辞を容れるはずもない。 鶴見はその本づくとこ....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
を斥《しりぞ》けて唐詩の複雑を借り来たれり。国語の柔軟なる、冗長なるに飽きはてて
簡勁《かんけい》なる、豪壮なる漢語もてわが不足を補いたり。先に其角一派が苦辛して....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
るるものあり。斯《かく》の如き日本の婦女日常の動作を描かんとするや筆力を主とする
簡勁《かんけい》なる手法にのみ拠るべきものならず、極力《きょくりょく》実地の写生....