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簡略
「簡略〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
簡略の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
」 かの女は思わず声高になった。 すると、K・S氏が懸念を速かに取消すように
簡略に話して呉れた。 「私たちが結婚して間近い頃でした。イチロが来たので、ビール....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
記録されているのだ」とその一冊を書架から引き出したが、それには猶太的犯罪風習が、
簡略な例註として記されているのみだった。
一八一九年十月の或る夜、ボヘミア....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
いまだにみたことはない。 さて、もう鉛筆もほとんど尽きようとしている。あとは、
簡略にして終りまで書こうと思う。 それから、私は精神医としていかにゴリラを観察....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
通行のたびに出せと言うのが無理ですよ。」 「ですから、諸大名や公役の通行をもっと
簡略にするんですね。」と半蔵が言葉をはさんだ。 「だんだんこういう時世になって来....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
や器物の意匠をも遺して居る人で、利休に雁行すべき侘道の大宗匠であり、利休より一段
簡略な、侘に徹した人である。氏郷の其の花生の形は普通に「舟」という竹の釣花生に似....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
るに植民地の西洋館であった訳だといっていいかと思う。 しかしながら、そこには、
簡略ながらも、異人が故郷を思う心から、その建物はバラックではあるがその窓、その屋....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
きにおいて、子供の絵や野蛮人の作品が近代画家を悦ばしめたのであった。 それから
簡略を生命とする処の東洋画、あるいは一条の線の流れが世相の百態を表す処の錦絵がフ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
蝉の鳴物はかえってあらゆる音を征服して非常な静かさを現す。その中に古い本堂が甚だ
簡略に建っている。その本尊の顔は奇しくも暢びやかなうちに鋭い近代女性を示している....
「わが文学修業」より 著者:織田作之助
分か一時間を克明にうつすので時間的に窮屈極まる。そこで、小説では場面場面の描写を
簡略にし、年代記風のものを書きたいと思い、既に二作目の「雨」でそれをやった。して....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
のには余り見かけない。日本では二三あったかないかの寡少な方法である。 略装は、
簡略な装本態であって、日本の所謂フランス装などは当然この部類に入るわけであるが、....
「帯の巾が広すぎる」より 著者:上村松園
という事を考えさされています。勿論これは私の好みではありますが、もっと現在の帯を
簡略にして巾をせばめ、結び帯つけ帯をつける工合に進んでゆくのではないかと思います....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
、サラット師の著書と相違して居るといった人もあるそうですが、私は道中記はなるべく
簡略にしてくれろという御注文もあり、かたがた省き得らるるだけは省く方針を執りまし....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の宗に限り、人生まるるも洗礼を行わず、祭日あるも酒とパンを供養せず。けだし礼式の
簡略なる、この宗をもって第一とす。かつ、道徳品行の点にいたりても、この宗の信徒を....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
信長はすでに足利将軍を追って、京都に君臨しておったのである。 私は以上で、この
簡略な中世和歌文学の概観を終ろうと思う。諸君がこれによって、如何に和歌の伝統が文....
「父の葬式」より 著者:葛西善蔵
の羽織を持っているが、それはまた丈がかなり短かかった。 「追而葬式の儀はいっさい
簡略いたし――と葉書で通知もしてあるんだから、いっそ何もかも略式ということにして....