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籃
「籃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
籃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
い湘江《しょうこう》の水もじりじり幅を縮めて行った。すると薄汚い支那人が一人、提
籃《ていらん》か何かをぶら下げたなり、突然僕の目の下からひらりと桟橋へ飛び移った....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
ある。自分はよく、なんの用もないのに、この渡し船に乗った。水の動くのにつれて、揺
籃《ゆりかご》のように軽く体をゆすられるここちよさ。ことに時刻がおそければおそい....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
かつて》、焼けたと云う事のない屋敷である。第二に、五月上旬、門へ打つ守り札を、魚
籃《ぎょらん》の愛染院《あいぜんいん》から奉ったのを見ると、御武運長久｜御息災《....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
らながらみ取りが二人《ふたり》、（ながらみと言うのは螺《にし》の一種である。）魚
籃《びく》をぶら下《さ》げて歩いて来た。彼等は二人とも赤褌《あかふんどし》をしめ....
「或る女」より 著者:有島武郎
カリフォルニヤから来る水々しい葡萄《ぶどう》やバナナを器用な経木《きょうぎ》の小
籃《こかご》に盛ったり、美しい花束を携えたりして、葉子の朝化粧《あさげしょう》が....
「二つの道」より 著者:有島武郎
し、さらにある者は一つの道の分かれ目に立って、凝然として行く手を見守っている。揺
籃《ようらん》の前で道は二つに分かれ、それが松葉つなぎのように入れ違って、しまい....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
有りますまい。 己が掴ったのはその人だ。首を縮めて、鯉の入った籠を下げて、（魚
籃）の丁稚と云う形で、ついて行くと、腹こなしだ、とぶらりぶらり、昼頃まで歩行いて....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
に乗る。五反田行だ。 岡東父子の顔が、闇の中に残る。 電車は走り出したが、魚
籃のところで東京地区の警報発令、車内は全部消灯する。それから全然無灯で闇の中を電....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
密なる細部の雕刻までを鮮明に現わして殆んど実物を髣髴せしめた。後者は印度文明の揺
籃地に関する最新の発見報告であって、其発堀せる遺物の精巧なる写真数十葉は何れも皆....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
の貧乏なる読書生は皆此の「大家論集」の恩恵を感謝したであろう。 博文館が此の揺
籃地たる本郷弓町を離れて日本橋の本町――今の場所では無い、日本銀行の筋向うである....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
ん一人で来たね。」 女は乳の上へ右左、幅広く引掛けた桃色の紐に両手を挟んで、花
籃を揺直し、 「貴方、その樵夫の衆にお尋ねなすって可うございました。そんなに嶮し....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
たものがあるのかね。」 「今朝ほど、背負上を高くいたして、草鞋を穿きましてね、花
籃を担ぎました、容子の佳い、美しい姉さんが、あの小さなお扇子を手に持って、」と言....
「風波」より 著者:井上紅梅
のである。 七斤ねえさんというのは、彼女の倅の※である。その時七斤ねえさんは飯
籃をさげて卓の側に行き、卓上に飯
籃を投げ卸してプリプリ腹を立てた。「おばあさん、....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
、河東節には閉口したらしく、なるほど親類だけに二段聴きだ、アンナものは三味線の揺
籃時代の産物だといって根っから感服しなかった。河東節の批評はほぼ同感であったが、....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
、誰でも五六銭を手にしてゆくと、二三人では喰い切れない程の林檎を、枝からもぎって
籃に入れて持って来て喰べさせてくれた。白い粉の吹いたまゝな皮を衣物で押し拭って、....