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籐
「籐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
籐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
が、静かにそれを拾い上げた。
「どうも有難《ありがと》うございました。」
女は
籐椅子《とういす》を離れながら、恥しそうに会釈《えしゃく》をした。見れば球を拾っ....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
僕は
籐《とう》の長椅子《ながいす》にぼんやり横になっている。目の前に欄干《らんかん》....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
――――――――――
翌日《よくじつ》の日曜日の日暮れである。保吉は下宿の古
籐椅子《ふるとういす》の上に悠々と巻煙草へ火を移した。彼の心は近頃にない満足の情....
「影」より 著者:芥川竜之介
しそうな部屋の空気に、快い明るさを漂《ただよ》わしていた。
壁際《かべぎわ》の
籐椅子《とういす》に倚《よ》った房子《ふさこ》は、膝の三毛猫《みけねこ》をさすり....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
《とうぶつや》になっている。――その唐物屋の飾り窓には、麦藁帽《むぎわらぼう》や
籐《とう》の杖が奇抜な組合せを見せた間に、もう派手《はで》な海水着が人間のように....
「路上」より 著者:芥川竜之介
寄せ木の卓子《テエブル》の上へ置いた。現に今日も、この卓子《テエブル》の上には、
籐《とう》の籠へ入れた桜草《さくらそう》の鉢が、何本も細い茎を抽《ぬ》いた先へ、....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
の梢《こずえ》に涼しい光を放っている。微風もそろそろ通い出したらしい。さあ、この
籐《とう》の長椅子《ながいす》に寝ころび、この一本のマニラに火をつけ、夜もすがら....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
上げましょうか?」
「いえ、これで結構です。」
僕はちょうどそこにあった、古い
籐椅子《とういす》にかけることにしました。
「昨晩はお休みになれなかったでしょう....
「夢」より 著者:芥川竜之介
した髪の毛も房ふさしていたのに違いなかった。わたしはこのモデルにも満足し、彼女を
籐椅子《とういす》の上へ坐らせて見た後、早速《さっそく》仕事にとりかかることにし....
「或る女」より 著者:有島武郎
といたずら者らしくこんなことを思っていた。が、田川夫妻が自分と反対の舷《げん》の
籐椅子《とういす》に腰かけて、世辞世辞しく近寄って来る同船者と何か戯談口《じょう....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
誰も来ない。そうかと云ってこっちから出向くのも厄介である。そこで仕方がないから、
籐の枕をして、また小説を読んだ。そうして読みながら、いつか午睡をしてしまった。 ....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
しに、 「いまだに、胸がどきどきするね。」 と、どうした料簡だか、ありあわせた
籐椅子に、ぐったりとなって肱をもたせる。 「あなた、お寒くはございませんの。」 ....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
へつけて、それで相手の凧の糸を摺り切るのである。「うなり」は鯨を第一とし、次ぎは
籐であるが、その音がさすがに違うのである。また真鍮で造ったものもあったが、値も高....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
合わせたように一度に空中へ逃げのぼって行った。…… 僕は妻の実家へ行き、庭先の
籐椅子に腰をおろした。庭の隅の金網の中には白いレグホン種の鶏が何羽も静かに歩いて....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
な、末恐しい、見下げ果てた、何の生意気なことをいったって私が家に今でもある、アノ
籐で編んだ茶台はどうだい、嬰児が這ってあるいて玩弄にして、チュッチュッ噛んで吸っ....