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米俵
「米俵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
米俵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
。………)
「はい、はい」と馬をしかる声がする。太郎は、あわてて、道をよけた。
米俵を二俵ずつ、左右へ積んだ馬をひいて、汗衫《かざみ》一つの下衆《げす》が、三条....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
て行った。
舞台は日本の室内だった。それが米屋の店だと云う事は、一隅に積まれた
米俵が、わずかに暗示を与えていた。そこへ前垂掛《まえだれが》けの米屋の主人が、「....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
人情だの義理だのいっとると、乾干しになって死んでしまうわ。本津の義太郎を見いな。
米俵、山のように積んであっても、一合一勺だってこっちに恵んでくれたかのう。一石百....
「たにしの出世」より 著者:楠山正雄
のです。 「おとうさん、わたいはちいさいから馬をひいて行くことはできないけれど、
米俵の上にわたいをのせてくれれば地主さまのお屋敷まで馬をつれてってきてあげるよ」....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
た撲りこくるだ。」 「これは驚いた。」 「北国一だ。山代の巴板額だよ。四斗八升の
米俵、両手で二俵提げるだよ。」 「偉い!……その勢で、小春の味方をしておやり。」....
「古狢」より 著者:泉鏡花
… 話はちょっと前後した――うぐい亭では、座つきに月雪花。また少々|慾張って、
米俵だの、丁字だの、そうした形の落雁を出す。一枚ずつ、女の名が書いてある。場所と....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
三 片側はどす黒い、水の淀んだ川に添い、がたがたと物置が並んで、
米俵やら、筵やら、炭やら、薪やら、その中を蛇が這うように、ちょろちょろと鼠が縫い....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
来たので、将軍はことのほかに賞美された。その帰り路に、とある民家の前にたくさんの
米俵が積んであるのを将軍がみて、あの米はなんの為にするのであるか。わが家の食米に....
「火の扉」より 著者:岸田国士
々の顔が、彼女には、時としてあさましく思われた。 向うから牛車が一台、うず高く
米俵を積んで来る。供出の新米であろう。 「ご苦労さま」 と、彼女は道を譲りなが....
「米」より 著者:犬田卯
ろとあたりを見廻した。おせきは少々上り気味で、誰と誰がどこに突っ立っていて、誰が
米俵の方を注視していたか、そのときは識別しなかったが、あとで考えると、「米は何俵....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
りだという。 「また、米でか――」 「ンだ」といって話者は微笑した。 M公は「
米俵かつぎ」以外に、それこそ塵一本他人の物は盗ったことがないという泥的仲間の変り....
「山吹」より 著者:泉鏡花
するもののごとし。 馬士 (樹立より、馬を曳いて、あとを振向きつつ出づ。馬の背に
米俵二俵。奉納。白米。南無大師遍照金剛の札を立つ)ああ気味の悪い。真昼間何事だん....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
を入れて秘したもんだが、淡島屋だけは幕府のお台を作る糊の原料という名目で大びらに
米俵を積んで置く事が出来る身分となっていた。が、富は界隈に並ぶ者なく、妻は若くし....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
出ました。秀吉は呆れて瞠った眼で、撥ね除けられた円い扁たいものを見ますと、それは
米俵のさん俵でありました。秀吉の驚きは、これに止まりませんでした。 「雪の早朝、....
「世間師」より 著者:小栗風葉
になっていて、伝馬や艀がひしひしと舳を並べた。小揚人足が賑かな節を合せて、船から
米俵のような物を河岸倉へ運びこんでいる。晴れきって明るくはあるが、どこか影の薄い....