粉末[語句情報] » 粉末

「粉末〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

粉末の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
おろしてしまいました。しかし鍵穴《かぎあな》からのぞいてみると、硫黄《いおう》の粉末を顔に塗った、背《せい》の低い雌《めす》の河童《かっぱ》が一匹、まだ戸口にう....
富士」より 著者:岡本かの子
りを弛めて、黒ずみ眠って行く。なお残る茜《あかね》の空に一むれ過ぎて、また一むれ粉末のまだら。無関心の高い峯の上を、その鳥群のまだらだけが愛を湛えて、哀しい大空....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
いる。火薬などによる普通の破壊事件では見られない現象だ」 「なぜそんなに破壊面が粉末化しているのでしょうか」 「それは今のところ不可解だ」 「その破壊面附近に、....
振動魔」より 著者:海野十三
かなり高率の回復成績をあげていたのだった。それは世間によく知られているカルシウム粉末を患者の鼻の孔から吸入させて、病巣に石灰壁を作る方法と些か似ているが、白石博....
人間灰」より 著者:海野十三
がなかったのです。さてそれから、程よいところで、彼の犯人は灰のようになった人体の粉末を、気球の上から湖上に向って撒いたのです。西風にしたがって、この人間灰は水面....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
げて、その本弭の部分を強く卓上に叩き付けた。すると意外にも、その弦の中から、白い粉末がこぼれ出たのであった。法水は、唖然となった二人を尻眼に語りはじめた。 「や....
人造人間の秘密」より 著者:海野十三
、かたい鋼鉄でつくるが、この地下工場では、私の知らない灰色のセメントのような妙な粉末を熔かして固めるのであった。 「どうだね、セン。君の気に入るように、製造工程....
空気男」より 著者:海野十三
姿は、この寝室から消え失せた。どこからか博士の舌打ちの音が聞える。 消身剤粉末の消身剤をのんだ清家博士は、トタンに大後悔した。まさか妻君が、それを同時にの....
火星兵団」より 著者:海野十三
るおそる言った。 「ボロン? ボロン? 硼素のことですか」 「さあ……」 「白い粉末になっているやつでしょう」 「さあ、どうですかねえ」 千二は、何も知らない....
怪塔王」より 著者:海野十三
くなります。たとえば部屋一杯のガスも、これを冷して固めると、耳かき一ぱいぐらいの粉末になります。ですから、相当の分量を積んでもたいした場所ふさぎにもなりません。....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
れている美しい石乳も、どんよりした光のなかでは、老婆の乳房のよう。絶えず、岩塩の粉末が雨のように降ってくる。しかし塩が吸うので毒ガスの危険はなく、三人は安堵して....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
っすりと舌に甘く感じたように覚えて居ります。又物の調味には、あの甘草という薬草の粉末を少し加えましたが、ただそれは上流の人達の調理に限られ、一|般に使用するもの....
不周山」より 著者:井上紅梅
を縮めて、山を近くに引寄せてよく見ると、それらのものの周りの地上には、金色の玉の粉末が乱雑に散らばっており、また、かみ砕いた松柏の葉や魚の肉が雑っている、それら....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
うりだし、中のガラスびんをひとつずつ、だいじそうにとりだした。どのびんにも液体や粉末がつまっている。 男は、おびただしい数のガラスびんをとりだすと、こんどは試....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
つの子会社を持っていた。戦争中には陸軍から“東条閣下ご考案”の豚血液を乾燥させた粉末で防水したはこを作らされ、海軍からは中身を使用したあと、海中に捨ててもすぐ水....