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「粉本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

粉本の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ともかくも古来有名な物になって居りまして、かの頼光の大江山入りなども恐らくこれが粉本であろうと思われますから、事実の有無を問わず、ここに紹介することに致します。....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
他の狂言と変っても、何ヵ月目或は何年目には又繰返している。又在来の日本画家は一つ粉本を常に写し直している。梅花書屋だの雨後山水だのと画題までもチャンと定まってお....
画学校時代」より 著者:上村松園
て気の毒だな」 松年先生はよく私にそう言われて同情して下さいまして、出来るだけ粉本や参考を貸して下さいました。 松年先生自身もまた山水がお得意だったので、人....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なずまずに、おのおのその性格によって表現を異にしようとこう考えているのだが、その粉本《ふんぽん》に苦しんでいる……ところが今、計らず君に出逢って見ると、まさにこ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
種、そうして、その半ば以上は食べられます」 「二千種類、非常なものですね、我々の粉本の中に納められているものは……何種あったか、ちょっと忘れたが、九牛の一毛だ」....
怪譚小説の話」より 著者:田中貢太郎
ったから殺して啖った。この幽怪録の話は、明の瞿佑の『剪燈新話』の中の申陽洞の記の粉本になっている。 またその叢書の『続幽怪録』の中にある定婚店の話は、赤縄の縁....
怪しき旅僧」より 著者:田中貢太郎
――此の話は武蔵の川越領の中の三ノ町と云う処に起った話になっているが、此の粉本は支那の怪談であることはうけあいである。 それは風の寒い夜のことであった。....
人面瘡物語」より 著者:田中貢太郎
、文学的にはさして意味のあるものでもないが、材料が頗る珍奇であるから、これは何か粉本があるだろうと思って、それとなく注意しているうち、諸国物語を書くことになって....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
び付けたのである。伴蔵の一条だけが円朝の創意であるらしく思われるが、これにも何か粉本があるかも知れない。ともかくも、こうした種々の材料を巧みに組み合わせて、毎晩....
津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
虚な複製品としか思われなかった。少なくも画家の頭脳の中にしまってある取って置きの粉本をそのまま紙布の上に投影してその上を機械的に筆で塗って行ったものとしか思われ....
回想録」より 著者:高村光太郎
風で生徒の為によかったろうと思う。又学科では彫刻の生徒も日本画等をやった。私等も粉本などを稽古した。大観、春草等の人がいろいろなものを描いた時代を見て覚えている....
好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
の今の万養軒のあるところで葉茶屋をしていましたが、私の十九の時火事で焼けました。粉本や写生など皆焼いてしまいました。その向いの、今の今井八方堂さんのお店が、小町....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
帰しているか解らぬ。)椿年歿して後は高久隆古に就き、隆古が死んでからは専ら倭絵の粉本について自得し、旁ら容斎の教を受けた。隆古には殊に傾倒していたと見えて、隆古....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
の画題と布局とをそのままに模写したるもの多しとぞ。)余は国貞の板画においては必ず粉本《ふんぽん》の臭味《くさみ》を感ずるに反し、国芳においては時として西洋画家の....
栖鳳先生を憶う」より 著者:上村松園
評判でなかなかの力作どした。これもな、直写しさして貰うたのどすが、時折に古い昔の粉本を出してそれを広げて見てその当時を憶い出します。 栖鳳先生の教え方は、こう....