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粒
「粒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
が、もれるらしい。
枕もとには、縁の欠けた土器《かわらけ》がたった一つ(底に飯
粒がへばりついているところを見ると、元は粥《かゆ》でも入れたものであろう。)捨て....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
牛乳
信輔は全然母の乳を吸ったことのない少年だった。元来体の弱かった母は一
粒種の彼を産んだ後さえ、一滴の乳も与えなかった。のみならず乳母を養うことも貧しい....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
もかえって気もちのいいくらいだったのである。
しばらく踏んでいると、やがて、粟
粒《あわつぶ》のようなものが、鼻へ出来はじめた。云わば毛をむしった小鳥をそっくり....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
、入院の支度《したく》を急いでいる妻や伯母を意識していた。すると何か舌の先に、砂
粒《すなつぶ》に似たものを感じ出した。自分はこのごろ齲歯《むしば》につめたセメン....
「女」より 著者:芥川竜之介
と、そこから広間へ溢《あふ》れて来た。と云うよりはむしろその敷物自身が、百十の微
粒分子《びりゅうぶんし》になって、動き出したとも云うべきくらいであった。
仔蜘....
「白」より 著者:芥川竜之介
ム色の犬小屋が、――そんなことは当然に違いありません。しかしその犬小屋の前には米
粒《こめつぶ》ほどの小ささに、白い犬が一匹坐っているのです。清らかに、ほっそりと....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
儒《しゅじゅ》でございます。どうかわたしの願いをおかなえ下さいまし。
どうか一
粒の米すらない程、貧乏にして下さいますな。どうか又|熊掌《ゆうしょう》にさえ飽き....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
ましたが、元より三人ともお島婆さんの家の前には足も止めず、もう点々と落ちて来る大
粒な雨を蛇の目に受けて、一つ目の方へ足を早めました。実際その何分かの間は、当人同....
「或る女」より 著者:有島武郎
褓《むつき》から立つ塩臭いにおいや、畳の上に踏みにじられたままこびりついている飯
粒などが、すぐ葉子の神経をいらいらさせた。玄関に出て見ると、そこには叔父《おじ》....
「或る女」より 著者:有島武郎
って、葉子は没義道《もぎどう》に手を引っ込めた。倉地をにらみつける目からは熱い大
粒の涙がぼろぼろとこぼれた。そして、
「あゝ……あ、地獄だ地獄だ」
と心の中で....
「星座」より 著者:有島武郎
だした。
とっぷりと日が暮れて、雪は本降りに降りはじめていた。北海道にしては大
粒の雪が、ややともすると襟頸に飛びこんで、そのたびごとに彼は寒けを感じた。
彼....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
丘陵の裂け目からまっしぐらにこの高原の畑地を目がけて吹きおろして来る風は、割合に
粒の大きい軽やかな初冬の雪片をあおり立てあおり立て横ざまに舞い飛ばした。雪片は暮....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は袈裟代、これは加納家から嫁いでまいりました。両親の間には男の児はなく、たった一
粒種の女の児があったのみで、それが私なのでございます。従って私は小供の時から随分....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
s Cyclopedia. リコポジウム Lycopodium. 植物の実にて小
粒。 両極性 Polarity. リオン(地)Lyons.(フランス)市の名。 ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
夜も日も明けないと云う可愛がり方。そして、車大工とその女房は、交わるがわるその一
粒種を手にとって、撫でたり擦ったりしていた。 その子供が五つになった時のことで....