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粕
「粕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
象王《ろくげのぞうおう》の味噌漬《みそづ》けだの、天竜八部《てんりゅうはちぶ》の
粕漬《かすづ》けだの、天竺《てんじく》の珍味を降《ふ》らせたかも知らぬ。もっとも....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
店へははいらず、よくて高津《こうづ》の湯豆腐屋《ゆどうふや》、下は夜店のドテ焼、
粕饅頭《かすまんじゅう》から、戎橋筋《えびすばしすじ》そごう横「しる市」のどじょ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ち個性の)表現を試みようとする。又或る人は愛の純粋なる表現を欲するが故に前人の糟
粕を嘗めず、彼自らの表現手段に依ろうとする。前者はより多く智的生活に依拠し、後者....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
長尾遠江守 後備 中条越前守 古志駿河守 後押 甘
粕近江守 小荷駄(輜重)直江大和守 さて一般士卒には、 一、明十日御帰陣の旨|....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
信用組合からなお金を借り足して、又、別の畠を買った。五六口の頼母子講は、すっかり
粕になってしまっていた。 頼母子講は、一と口が一年に二回掛戻さなければならない....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
重四重に包囲している。一番外側の聴音隊は、北から西へ廻って云ってみると、埼玉県の
粕壁、川越、東京府へ入って八王子、神奈川県の相模川に沿って鎌倉へぬけ、観音崎まで....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
く、工場は航空機の部分品をつくるところであった。私達はそこで手先の仕事をした。豆
粕や高粱のはいった弁当や糸のひいたパンをたべた。空襲警報がなると、十分間走って山....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
家であるが、紀行には「蚤と蚊にせめられて思ふやうに眠られず。」とある。翌三十日は
粕壁、松戸を経て、幸手の駅に入り、釜林という宿屋に泊まる。まことに気の長い道中で....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
大都市は、海にむかって漏泄の道をひらいている。その大|暗渠は、社会の穢
粕と疲憊とを吸いこんでゆく。その汚水は、都市の秘密、腐敗、醜悪を湛えてまんまんと....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
弥次兵衛正恒、穂積権九郎宗重、熊谷小五八照賢、鞍手助左衛門正親、倉橋伝十郎直行、
粕屋甚七常定、神原茂左衛門基治で、年齢はいちいち記されていないが、十九歳の茂左衛....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
てからも、もう一月程も経っていた。彼はこの種を蒔いたり植え替えたり縄を張ったり油
粕までやって世話した甲斐もなく、一向に時が来ても葉や蔓ばかし馬鹿延びに延びて花の....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ッセル夫人はいった。アントニイは笑いながらガスコンの諺をもって答えた――「ロバの
粕めが、天国に昇ることはない」「とんでもない。あの人はロバではありませんよ」と伯....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ゃよか、学校ん生徒でん何でんお迎い出すちいよる。」 「鯨の髭さ。ありゃうまいや、
粕漬だろう。君。」 「鯨ん鼻ん骨ですたい。輪切がえらかもんな。そりゃ珍らしか。好....
「数の子は音を食うもの」より 著者:北大路魯山人
のである。 数の子を食うのに他の味を滲み込ませることは禁物だ。だから味噌漬けや
粕漬けは、ほんとうに数の子の美味さを知る者は決してよろこばない。醤油に漬け込んで....
「田螺」より 著者:北大路魯山人
こでもやることだが、どこで食っても大概食えるものである。出雲の地方では、これに酒
粕を入れて煮る。これは大分料理として発明されたもので、たしかに合理的でもあり、す....