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粕漬
「粕漬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粕漬の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
象王《ろくげのぞうおう》の味噌漬《みそづ》けだの、天竜八部《てんりゅうはちぶ》の
粕漬《かすづ》けだの、天竺《てんじく》の珍味を降《ふ》らせたかも知らぬ。もっとも....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
って……」 「はあ、そうですか。何か送ってきましたか」 「ええ赤い魚《さかな》の
粕漬《かすづけ》なんですがね」 「じゃひめいちでしょう」 三四郎はつまらんもの....
「冬の花火」より 著者:太宰治
なたのお弁当のおかずは卵焼きと金平牛蒡で、私の持って来たお弁当のおかずは、筋子の
粕漬と、玉葱の煮たのでした。あなたは、私の
粕漬の筋子を食べたいと言って、私に卵焼....
「春の枯葉」より 著者:太宰治
さ。美人だって? 笑わせやがる。東京の三流の下宿屋の薄暗い帳場に、あんなヘチマの
粕漬みたいな振わない顔をしたおかみさんがいますよ。あたしには、わかっている。あん....
「漬物の味〔扉の言葉〕」より 著者:種田山頭火
子菜の香味、茄子の色彩、胡瓜の快活、糸菜の優美、――しかし私はどちらかといえば、
粕漬の濃厚よりも浅漬の淡白を好いている。 よい女房は亭主の膳にうまい漬物を絶や....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ゃよか、学校ん生徒でん何でんお迎い出すちいよる。」 「鯨の髭さ。ありゃうまいや、
粕漬だろう。君。」 「鯨ん鼻ん骨ですたい。輪切がえらかもんな。そりゃ珍らしか。好....
「数の子は音を食うもの」より 著者:北大路魯山人
のである。 数の子を食うのに他の味を滲み込ませることは禁物だ。だから味噌漬けや
粕漬けは、ほんとうに数の子の美味さを知る者は決してよろこばない。醤油に漬け込んで....