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粗壁
「粗壁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粗壁の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
眼元を見ると、反対するのが悪いような気がしたので 「私は構いませんわ」と言った。
粗壁の田舎家の奥座敷で主人と中老の男の盃の献酬がはじまる。裏の障子を開けた外は重....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
買うと、座席を取ってまず指を折ってみた。何度目の帰郷だろうと思う。
露草の茎
粗壁《かべ》に乱れる
万里の城
いまは何かしらうらぶれた感じが深い。昔つく....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
いていた。 裏門を過ぎると、すこし田圃《たんぼ》があって、そのまわりに黄いろい
粗壁《あらかべ》の農家が数軒かたまっている。それが五条《ごじょう》という床しい字....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
剣かのように構えた。しかしこの老獪な用心棒は、打ち込んで行く代わりに背後へ退き、
粗壁へ守宮のように背中を張り付け、正面に、梁から、ダラリと人形芝居の人形のように....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
席を取ってまず指を折った。 ――何度目の帰郷だろうか! 露草《つゆくさ》の茎
粗壁《かべ》に乱れる 万里の城 何かうらぶれた感じが深い。昔つくった自分の詩....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
だ裸の膝小僧へ両手を置いて、勘次はここで声を落した。 壁と言ったところでほんの
粗壁《あらかべ》、竹張の骨へ葦《あし》を渡して土をぶつけただけでまだ下塗りさえ往....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
が真黒く下って、柱も梁も敷板も、鉄かとも思われるほど煤けている。上塗りのしてない
粗壁は割れたり落ちたりして、外の明りが自由に通っている。 「狐か狸でも棲ってそう....