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粗大
「粗大〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粗大の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
らめてしまったという一事からでも明らかである。また地球は恒星や諸遊星よりももっと
粗大な物質からできている、そのために遊星系の中心に位しなければならないというその....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
に係る。これを結びたる天糸を釣る織細の釣具に比する時は、都人士の夢想にも及ばざる
粗大頑強のものたるは言うまでもなし。 さて、小出し桶に受取りし餌を摘み取り、糸....
「一つの世界」より 著者:伊丹万作
君の手紙と東京から帰った会社の人の報告で東京の惨状はほぼ想像がつく。要するに「空襲恐るるに足らず」といった
粗大な指導方針が事をここに至らしめたのだろう。敵が頭の上に来たら日本の場合防空は....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
これまた天然の形勢による。その地には高山あり巨川あり大湖あり広原あるも、みなただ
粗大なるのみにて、一つとして美麗なるはなし。わが国の日光の勝、松島の勝、嵐山の勝....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
れば、既婚七十二人、未婚六十七人となる。未婚者の多きもまた驚かざるを得ず。船内は
粗大にして清美を欠く。わが日光丸とは雲泥の差あり。食事は毎回二、三品に過ぎず、一....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
候。此えり麁物ながら呈上(○蘭の絵ハ御苑ニアル分ヲ写させ申候)。御笑留被下度、外
粗大なる冬瓜一つ御目にかけ申候。まづ過日之御礼迄|如此候。匆々謹言。 九月....
「省察」より 著者:デカルトルネ
私は注意を向けなかったか、それともこれを風とか火とか空気とかに似た、私のいっそう
粗大な部分に注ぎ込まれた、何か知らぬが或る微細なものと想像した。物体については私....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
又第二に新聞は、定期刊行物の内、最も著しい――細かい――週期性を有つものである(
粗大な週期はもはや週期ではない)。――かくて単なる文筆から編集にまで興味を進めて....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
ているということにある。微細考察によれば現在人類の知っている自然もそうなのだが、
粗大に考えて見ても、歴史的社会という現実は所謂自然とは異って、人為的な形式を有っ....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
つも厳重な戒心を必要とするものがある。常識化した知識は一面便利ではあるが夫だけに
粗大で又無雑作なので、こうした常識の上に常識をつみ重ねて行くと、その結果は常識を....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
クシブルなものとしてより繊細に把握するのに、哲学の方はより判然と普遍性の下に併し
粗大にしか把握出来ないのに過ぎないのだ、と云うなら、そういう哲学なり文学なりが、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ないんだ。」 彼は社会的正義などという夢にとらわれてはいなかった。彼は通俗的な
粗大な良識からして、前にあったことはあとにもあるだろうと信じていた。 「もしその....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
い。その後運搬夫をやめて悪漢となったのである。
バベの小柄なのは、グールメルの
粗大と対照をなしていた。バベはやせており、また物知りだった。身体は薄いが、心は中....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
して天明寛政時代の精密なる写生の画風いまだ起るに至らず。されば春信の板画は過去の
粗大と将来の繊細との中間に立ちて独《ひと》り温雅優美の情を恣《ほしいまま》にする....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ょう。永徳あって秀吉の土木が意味を成したので、永徳がなければ、単なる成金趣味の、
粗大なる土木だけのものでした…… かように永徳は、狩野の嫡流《ちゃくりゅう》か....