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粗布
「粗布〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粗布の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雁の童子」より 著者:宮沢賢治
、一|疋《ぴき》の仔馬《こうま》が乳《ちち》を呑《の》んでおったと申します。黒い
粗布《あらぬの》を着《き》た馬商人《うましょうにん》が来て、仔馬を引きはなしもう....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
鄙歌のあいにく耳に響き、かの百姓夫婦のむつまじく語れる面影は眼前に浮かび、楽しき
粗布に引きかえて憂いを包む風通の袂恨めしく―― せぐり来る涙をハンケチにおさえ....
「刻々」より 著者:宮本百合子
監房の模型が、当時つかわれた拷問道具、手枷足枷などをつかって出来ている。茶っぽい
粗布の獄衣を着せられた活人形がその中で、獣のような抑圧と闘いながら読書している革....
「作家の経験」より 著者:宮本百合子
の祖先たちは、狩猟をし、獣の皮をはぎ、火をおこし、女は針に似た道具でその獣の皮や
粗布を縫い合わせた。酋長を囲んで相談し、収穫と生産とについて部族のしきたりと定め....
「チュウリップの幻術」より 著者:宮沢賢治
ゆれ、唐檜も動きます。 洋傘直しは剃刀をていねいに調《しら》べそれから茶いろの
粗布《あらぬの》の上にできあがった仕事《しごと》をみんな載《の》せほっと息して立....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、シャツ一枚と、古ラシャのつぎのあたったメリヤスの裳衣一枚をつけてるだけだった。
粗布の前掛けが裳衣の半ばを隠していた。彼女は腰を折ってかがんではいたが、背はごく....
「経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
れらの製造業の優越によって左右されるであろう。
あらゆる国民が単に穀物や家畜や
粗布のみを生産し、そして金がそれらの貨物を生産する国またはかかる国を征服している....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
が喜びの声をあげてとんできた。 それはまさしくひとりの婦人であった。雨にぬれた
粗布の服をきて、茶色の肩かけをまとった、年のころ四十二、三の女である。髪は乱れて....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
チンと白鳥の眼玉の上へ置いて。……そうそう、その通りですヨ」 六、大は小を兼ぬ
粗布製の手提《てさげ》金庫。亡者を地獄へ送り込む火の車のように、めざましい焔色《....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
布を作ることがあるのを知っている。シナは東北では普通にマダの木と謂い、是で織った
粗布をマダヌノと呼んでいる。『蝦夷産業図説』には、アイヌがオヒョウまたはアツとい....