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粗描
「粗描〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粗描の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「今日の文学の鳥瞰図」より 著者:宮本百合子
は切り離せない関係に置かれている。 私は、この文章の中で今日の文学の現実の姿を
粗描し、文学以外の専門に従事する人々のためにも今日の文学的討論や作品の健全な理解....
「菜穂子」より 著者:堀辰雄
た顔をぼんやりと思い浮べた。さっき森の中で一本の樺の枝の網目が彼にこっそりとその
粗描をほのめかしただけで、それきり立ち消えてしまっていた何かの影が、そんな殆ど記....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
た、小さい作品です。ある雑誌のカットを見ていたら、そこに乙女の裸体が描かれている
粗描を見出し、それをかいた男が、乙女のなくなった良人である勉の友人の一人ではあっ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ら、うれしいと思います。でも画家なんて面白いわね。これはモティーヴを私が出して、
粗描を寿江がして(小さく)そしてたのんだもんで、合作だねって苦笑いしているの、で....
「或る作家の厄日」より 著者:豊島与志雄
うまいことを言う。やさしすぎたり、彼女の勉強になったり、する筈だ。メモに過ぎず、
粗描に過ぎないのだ。 「君の勉強になるなら、結構だ。然しね、作品はやさしいほどい....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
代色の片鱗も影響していなかった。むしろ一時代前の東山趣味ともいえる、燻んだ墨と、
粗描の線と、多くの余白との中に甚だしく余韻を尊んでいた。 彼が描いた図がらには....