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粗放
「粗放〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粗放の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
も結婚後のお延はじきそこに気がついた。しかし彼女はまだその上に材料をもっていた。
粗放のようで一面に緻密《ちみつ》な、無頓着《むとんじゃく》のようで同時に鋭敏な、....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
中心地に位置し、日本屈指の殺傷事件の本場たり。従って警察方面の捜索方針も単純|且
粗放にして、現場の証拠等は事件発生の翌日に於て、完膚なき迄に攪乱蹂躙されおり、充....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、 「では……そういうことにお願いしますかな」 白雲一人に使命を託することが、
粗放のようで、実は最も安全にして確実な方法だと思案したのでしょう。お松はムク犬と....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
供の描いたようなところがあると思うとまた非常に巧妙な鋭利なところがある。不細工な
粗放な線が出ているかと思うとまた驚くべく繊巧な神経的な線が現われている。云わば一....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
たは一度ですら、二十五年で倍加したことがあるとは、思われない。彼らの不断の戦争、
粗放な農業状態、なかんずくこの種族の大部分が採用している、自分のまわりに広い荒地....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
たはやはり旧友の一人たる鈴木某(その頃海軍主計大監)の斡旋であった。鈴木は極めて
粗放な軍人肌であって、二葉亭の人物や抱負を理解もしなければ理解しようとも思わず、....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
も、後年《こうねん》鳥居清長らの描きし天明寛政頃の背景に比較すれば甚《はなはだ》
粗放なるものなりき。明和年代の春信においてこれを見るも寛政画家の試みたるが如き正....