粗笨[語句情報] »
粗笨
「粗笨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粗笨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蠅」より 著者:海野十三
ら非常に簡単な名称が与えられているのだ。曰く、懐疑主義とネ」 「イヤ参謀、それは
粗笨な考え方だと思う。一体この室に蠅などが止まっているというのが極めて不思議なこ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
同時に来たような気がしている。それは必ずしも自分が緻密なる思索に堪え得ざる頭脳の
粗笨と溌剌たる体験を支え得ざる身体の病弱とのためではなく、じつに自分のごとき運命....
「今日の文学に求められているヒューマニズム」より 著者:宮本百合子
くすぐりと見なすのは大衆の感情そのものを実際知らないものであるし、作家らしからぬ
粗笨《そほん》さである。大衆の生活の現実にふれてゆく社会的リアリティーが作品とい....
「全体主義への吟味」より 著者:宮本百合子
大な社会的特色であると思う。 大衆といい、民衆といい、昨今は国民といい、極めて
粗笨《そほん》な全体主義でおおうたもののいいかたをし、而もその全体の水準を生活全....
「科学論」より 著者:戸坂潤
的な国であった。イギリス工業の発達と共に、資本主義は農業においても鞏固化された。
粗笨な経営は漸次集約的形態に代えられた。改良された耕作方法、農業へ機械の採用を宣....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
する処のものの要求から云って、絶対に必要なのだということである。ただ単に、こんな
粗笨な声明をしたのではなくて、そういう
粗笨さを必要とする哲学(?)があるからなの....
「是は現実的な感想」より 著者:宮本百合子
こと――あらゆる角度に於て内外の生活に連関した発露がある。筆者の態度が大体極めて
粗笨であり、一時的であり、編輯された動機は商売気でも、何等かの意味で日本女性の一....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
人々の生活への共感に活かしてゆかなければなりません。
晨ちゃんの論文は、大変|
粗笨《そほん》でした。政治と文学のことを論じ、各※のちがった特殊性を明かにして、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たもの夫婦ということの微妙さもいろいろと感じます。 似たもの夫婦という表現は、
粗笨《そほん》ですね、よく観察するとそれはもっと複雑で、只同じ種類という形で似て....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
った。插楽劇《メロドラマ》の反対者らは、これまでなされた試みとその実演者たちとの
粗笨《そほん》さにたいして、りっぱに攻撃の理由をもっていた。クリストフも長い間、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
合には、知らない顔をして答弁すまいと用心した。彼は愚かな偽君子であるとともにまた
粗笨《そほん》な人物であって、時の事情によってあるいは傲慢《ごうまん》になりある....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
を受けているらしい。江口を快男児にするも善い誤解の一つだ。悪い誤解の一つは江口を
粗笨漢扱いにしている。それらの誤解はいずれも江口の為に、払い去られなければならな....
「田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
とする所にいっさいの紛雑が生ずるのだ。苛れば苛るほど、藻掻けば藻掻くほどすべてが
粗笨に傾き、ますます空虚となってゆくばかりだ。そうではないか。むしろ、常に我々を....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
とし、留めんとし、その動作極めて快き会話の機会を生ず。)
樵者
(
粗笨に、躁急に登場。)
避けた。避けた。
場所がいるのだ。
わたしどもは木を伐....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
を出づ可らず」を固く守る。だから為世一派の『野守鏡』や『歌苑連署事書』も、用語の
粗笨さの点で『玉葉集』を難じたのである。ところが、為兼はまさにその「寛平以往」を....