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「粗雑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

粗雑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
だろう。」 彼はその前に書いたところへ眼を通した。すると、これもまたいたずらに粗雑な文句ばかりが、糅然《じゅうぜん》としてちらかっている。彼はさらにその前を読....
或る女」より 著者:有島武郎
いのは」 葉子は、不用意にも女を捕えてじかづけに病気の種類を聞きただす男の心の粗雑さを忌みながら、当たらずさわらず、前からあった胃病が、船の中で食物と気候との....
弓町より」より 著者:石川啄木
何らかの成心をもっていてはいけない。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~粗雑《そざつ》ないい方ながら、以上で私のいわんとするところはほぼ解ることと思う。....
婦系図」より 著者:泉鏡花
……不心服な二人分……焼海苔にはりはりは心意気ながら、極めて恭しからず押附ものに粗雑に持って、お蔦が台所へ顕れて、 「お客様は、め組の事を、何か文句を言ったんで....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
幾日かが、一年の間にはたまに来る。そういう時に、君は一冊のスケッチ帳(小学校用の粗雑な画学紙を不器用に網糸でつづったそれ)と一本の鉛筆とを、魚の鱗や肉片がこびり....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
する。彼は自己の野心を満足せんが為めに、即ち彼の衷にあって表現を求めている愛に、粗雑な、見当違いな満足を与えんが為めに、愛国とか、自由とか、国威の宣揚とかいう心....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
来たことから、この次の変化が恐らく五十年内外に来るであろうとの推断は、固より甚だ粗雑なものであるが、全くのデタラメとは言えない。常識的には今後三十年内外は余りに....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
々しいあの瘡痕は、明かにナイフその他の金属類に依って与えられたものでなく、鈍重で粗雑なものであり、且つ又掌中に擦過傷を与えた兇器或は同性質の兇器なる事を暗示する....
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
砂利を敷詰める方法、所謂――化粧砂利と言うのがあります。で、この、化粧砂利の下の粗雑な切込砂利に、石英粗面岩の細片を使用した道床が、つまり表面は普通の精選砂利で....
食魔」より 著者:岡本かの子
彼はこの勢を駆って、メーゾン檜垣に集る若い芸術家の仲間に割り込んだ。彼の高飛車と粗雑はさすがに、神経のこまかいインテリ青年たちと肌合いの合わないものがあった。彼....
今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
人類はどんな風な暮し方をするかということなのじゃろう」 「そうですなあ。まず簡単粗雑にいうと、そういうところですねえ」 「そうか、そんな質問なら、答はわけのない....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
を与える事にある。 若し民衆が第二の紳士閥となって、それと同じように其の享楽は粗雑であり、其の道徳は偽善であり、そして紳士閥と同じような愚鈍な無感覚なものにな....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
)……とそう云うんですッて、大変だわね。毛彫浮彫の花鳥草木……まあ私のお取次ぎは粗雑ですよ。(匂がする、)と言うくらいだから、按摩、それから、それへ聞伝え、思い....
西航日録」より 著者:井上円了
とんど自余の世界中の鉄道を合計せるものに同じ。しかして、車室の美麗なると停車場の粗雑なるとは、またその地の名物なり。車中に食堂、寝室はもちろん、談話室、遊覧室、....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
そうにかん酒の入れ物をとって私に差した。それは熊がアキアジ(鮭)を担いでいる形の粗雑ながら陶の容器で、傾けると熊の口からコクコクと、香の強い美酒(?)がしたたり....