粗食[語句情報] »
粗食
「粗食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粗食の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「慈悲」より 著者:岡本かの子
よみせられ、召し上げられて飽衣美食でもてなしました。長寿者はたちまち死にました。
粗食故に長寿して居た生命が、美食に遇ってたちまち破損して仕舞ったのだそうです。 ....
「芽生」より 著者:島崎藤村
―眼を休ませるようにしなければ不可――種々《いろいろ》に言われて来た。 「一つは
粗食した結果だ」 この考えが私の胸に浮んだ。私は信州にある友達の厚意を思って、....
「新生」より 著者:島崎藤村
に自分の部屋を譬《たと》えて見たこともある。先《ま》ず自己の墓を築いて置いて粗衣
粗食で激しく労働しつつ無言の行をやるというあの修道院の内の僧侶《ぼうさん》達に自....
「反戦文学論」より 著者:黒島伝治
の「一兵卒」は、日露戦争に、満洲で脚気のために入院した兵卒が、病院の不潔、不衛生
粗食に堪えかねて、少しよくなったのを機会に、病院を出て、自分の所属部隊のあとを追....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
。その食事は彼らオランダ人に、この強大な君主の荘厳と驕奢とにふさわしからぬほどの
粗食とも思われたという。 暇乞いはそれだけでは済まされなかった。大奥でもまたも....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
公時も山家育ちなり。現世に於ては、高木兼寛三浦謹之助両氏の如き、最も深山の内にて
粗食にて生長せるも、医門の大家たり。ああ自然たるや平均を怠らざるを感ぜり。 当地....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
れてもらえなかった。私はその日から、号令や伝達や作業にいそしまねばならなかった。
粗食と疲労で肉体はげっそりしてしまい、その上、戦争のために、国家のためにという奉....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
見える。私はミイラの心がわかってきた。ミイラの慾望が。 皆さんは、私がずいぶん
粗食で、ほとんど美食に興味をもたないことを信じないかも知れない。又、ほとんど外出....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
。 これでは主人夫婦の生活費と小遣いに店の売上げがだいぶ引かれ、一方雇人たちは
粗食に甘んじて働かねばならぬ。しごく割のわるい話である。 ことに相場に手を出し....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
おかみさんがケチで食物がわるい」とこぼしているのも、よく聞くところでありまして、
粗食の結果、成長期にある少年をして発育不良に陥らしめたり、病気をする者が多いなど....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
かけた人をちょっと見た。 その声の弱々しさは哀れでもあり物凄くもあった。幽閉と
粗食も確かにそれに与ってはいたろうけれども、それは肉体的の衰弱から来る弱々しさで....
「わが工夫せるオジヤ」より 著者:坂口安吾
るのが一番割がいいのである。そのほかの日は甚しく御馳走がない。主人が菜食へであり
粗食だからだ。 二ヶ月前に血を吐いてからは、一ヶ月間酒をやめた。同時に、かたい....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
いことが異とされていない。 餅を食べないばかりでなく、代りに食うウドンは至って
粗食で、その部落では新年を慶祝する風習がないもののようである。 それではどんな....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
す。けれどどうも不安が去りません。天香師は強い信仰から、仏によりて養われるならば
粗食でも仏の加護で壮健を保たれるといわれます。また私の二つの病気を知りながら労働....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
を嘉せられ、召し上げられて飽衣美食でもてなしました。長寿者はたちまち死にました。
粗食故に長寿していた生命が、美食に遇ってたちまち破損してしまったのだそうです。 ....