粘土質[語句情報] » 粘土質

「粘土質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

粘土質の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
。彼は首をすくめ、懐《ふとこ》ろ手をしながら、落葉や朽葉とともにぬかるみになった粘土質の県道を、難渋《なんじゅう》し抜いて孵化場《ふかじょう》の方へと川沿いを溯....
武蔵野」より 著者:国木田独歩
でもなく、また浅瀬のような音でもない。たっぷりと水量《みずかさ》があって、それで粘土質のほとんど壁を塗ったような深い溝を流れるので、水と水とがもつれてからまって....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
まだ一度も降ろさないですね?」 「ええそうです」 下男が答えた。 「するとこの粘土質の泥は新しいものだし、この附近は岩ばかりだし……」と東屋氏は私の方へ笑いな....
播州平野」より 著者:宮本百合子
してきいた。 東北のその地方は、数日来最後の炎暑が続いていて、ひどく暑かった。粘土質の庭土は白く乾きあがって深い亀裂が入った。そして毎朝五時すぎというと紺碧の....
黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
事と云うような供給の対照を考慮に入れる必要は無かった。全国が供給の対照であった。粘土質の土地を手放す者さえあれば、何時まで続くかわからない事業だった。 ....
吠える」より 著者:宮本百合子
く薄暗い門先だ。そこに、犬小舎が置いてある。軒下ではない。門柱の直ぐ傍だ。何だか粘土質らしい、敷石はずれの地びたの上に、古びた木造の犬小舎がある。 私は、その....
追放されて」より 著者:神西清
の形も、水に浸った柳の藪も、川波も、もうはっきり見分けられる。振り返って見ると、粘土質の断崖があって、そのすぐ下に褐色の藁で葺いた小屋がある。崖の上の方には、村....
三国志」より 著者:吉川英治
すッと埋まった。 次の瞬間に、張※の口から出た声は、ひどく狼狽した叫びだった。粘土質の土壁に深く入ってしまった鉄丸は、いかに彼の腕力をもって鎖を引っ張っても、....