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粧す
「粧す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
粧すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
》たす」といい、また特に遊女、町芸者の白粉について「頸《くび》は極《きわめ》て濃
粧す」といっている。そうして首筋の濃粧は主として抜《ぬ》き衣紋《えもん》の媚態を....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
柄な水々しい少女で、どこの女学校にもきまって二、三人はいる早熟組の一人だった。化
粧することを心得、スカートの長さがいつも変って、ノートの隅に小さな字で詩人の名ば....
「家」より 著者:島崎藤村
意が届いたら、必と阿父さんは帰って来て下さるだろうよッて……」 「伯母さん、お化
粧するの?」とお房は伯母の側へ来て覗いた。 「伯母さんだって、お化
粧するわい――....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
ろうたびにまず思えおのが心のすがたいかにと というのがあります。鏡に向かって化
粧する。その時、顔や容姿の化粧をするたびに、必ず心の化粧もしてほしいのです。真の....
「野狐」より 著者:田中英光
手足の小さい、小柄の女で、顔は平べったく、低い鼻の穴が大きく天井を向いている。化
粧すれば、そうみっともない女でもなかったが、素顔の時は呆れるほど平凡な泥臭い百姓....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
たにない事であろうと思われる。人間は火を使用する動物なりという定義とほぼ同等に化
粧する動物なりという定義もできるかもしれない。そうだとすると、男も鉄漿黒々《かね....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
。 今はよく晴れて、沼を囲んだ、樹の袖、樹の裾が、大なる紺青の姿見を抱いて、化
粧するようにも見え、立囲った幾千の白い上※が、瑠璃の皎殿を繞り、碧橋を渡って、風....
「女性の不平とよろこび」より 著者:岡本かの子
ましょう。 女性のよろこびを考えるうちに「化粧」が思い浮べられた。 男でも化
粧する人はある。しかしそれに凝ったにしても到底女の範囲にまで進んで来ることは出来....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
ない。まだ二十歳まで二三年あるというのに、私はひっつめ髪をし、黒っぽい服を着、化
粧すらしないで家に引籠っていた。 家族は私の変貌に半信半疑の目をむけていた。し....
「病院風景」より 著者:寺田寅彦
ネーションが流しの隅に捨ててある。百合の匂。カーネーションの匂。洗濯する人。お化
粧する人。 小使が流しの上へ上がって、長い棒を押し立てて、何かゴボゴボ音を立て....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
中になって叫びました。 「あした……。では、そうしましょう。その間にわたしはお化
粧する暇があります。このままではあまりお粗末で、旅行するには困ります。わたしはす....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
当はないの。でも、街を歩いていて、さる人に会った時、相手を少し口惜しがらせるお化
粧するの。振られちゃった女の化粧ってのよ。これは……」 「何を云ってるのよ。」 ....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
小杉天外の「はつ姿」か「こぶし」かの女学生を演じて、舞台で上半身肌脱ぎになって化
粧する場面を見せたなどは、芝居の方からは謂わば邪道である。歌右衛門がその天賦の麗....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
は不吉の歌ではござりませぬか。 領主 そうだ。 従者 何故、そんな不吉の歌をお化
粧する間もお歌いなされたのでござりましょう。 領主 その頃は解らなかったが、今に....
「妾宅」より 著者:永井荷風
あ》う長煙管《ながギセル》で二、三|服《ぷく》煙草を吸いつつ、余念もなくお妾の化
粧する様子を眺めた。先生は女が髪を直す時の千姿万態をば、そのあらゆる場合を通じて....