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精々
「精々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
精々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
に軽くなって来ることを意識した。
「しかし、眇がどんな悪評を立てようとも、それは
精々、己を不快にさせるくらいだ。いくら鳶が鳴いたからといって、天日《てんじつ》の....
「冬」より 著者:芥川竜之介
しゅ》に案内され、やっと面会室の中にはいることになった。面会室は室と云うものの、
精々《せいぜい》二三尺四方ぐらいだった。のみならず僕のはいったほかにもペンキ塗り....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
すな。牛飼めもあの通り、恐れ入って居《お》るようでございます。この後《のち》とも
精々心にかけましたら、今度こそは立派に人一人轢き殺して、父上の御名誉を震旦《しん....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
徳の口吻《こうふん》を真似ると、「まあ私の片恋って云うようなもの」なんだからね。
精々そのつもりで、聞いてくれ給え。
お徳の惚れた男と云うのは、役者でね。あいつ....
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
、仲間同志のほめ合にしても、やっぱり評価表の事実を、変える訳には行きません。まあ
精々、骨を折って、実際価値があるようなものを書くのですな。」
「しかし、その測定....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
腫《みみずば》れだらけにしたと言うことです。
半之丞の豪奢を極《きわ》めたのは
精々《せいぜい》一月《ひとつき》か半月《はんつき》だったでしょう。何しろ背広は着....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
行った。
「ソップも牛乳もおさまった? そりゃ今日は大出来《おおでき》だね。まあ
精々《せいぜい》食べるようにならなくっちゃいけない。」
「これで薬さえ通ると好い....
「路上」より 著者:芥川竜之介
いるのから下《しも》は十二階下に巣を食っているのまで、突っくるめて見た所が、まあ
精々十種類くらいしかないんだからな。嘘だと思ったら、二年でも三年でも、滅茶滅茶に....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ゼウッフ。」 九 「あの、何?」 と真に打解けたものいいで、 「
精々勉強したら、名高い、ギョウテの(ファウスト)だとか、シルレルの(ウィルヘルム....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ついこないだもこの手を食ったよ、料簡が悪いのさ。何、上方筋の唐辛子だ、鬼灯の皮が
精々だろう。利くものか、と高を括って、お銭は要らない薬味なり、どしこと丼へぶちま....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
そんなでいて、しくしく泣き暮らしてでも、お在だったかと思うと、そうじゃないの……
精々裁縫をするんですって。自分のものは、肌のものから、足袋まで、綺麗に片づけて、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
頃では、女房も見張りに馴れたし、亭主も段々古本市だの場末の同業を狙って、掘出しに
精々出あるく。 ――好い天気の、この日も、午飯すぎると、日向に古足袋の埃を立て....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
り付けたり、嬉しそうに吠えたりするが、クサカはそれが出来ない。 クサカの芸当は
精々ごろりと寝て背中を下にして、目を瞑って声を出すより外はない。しかしそれだけで....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
が、姿も見ないで、横を向きながら、二服とは喫みも得ないで、慌しげにまた立つと、
精々落着いて其方に歩んだ。畠を、ややめぐり足に、近づいた時であった。 娘が、柔....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
すが、汽車に遠い山入りの辺鄙で、特に和倉の有名なのがある国です。近ごろでは、まあ
精々在方の人たちの遊び場所、しかも田植時にかかって、がらんとしていると聞いて、か....