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精力的
「精力的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
精力的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「花火」より 著者:太宰治
ていることの方が多かった。額《ひたい》の狭い、眼のくぼんだ、口の大きい、いかにも
精力的な顔をしていた。風間という勅選議員の甥《おい》だそうだが、あてにならない。....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
た上に、工場の生活がなくなったので、充分に日常生活のプランを編成して、今迄よりも
精力的に仕事に取りかかることが出来た。 工場にいたときは、工場のなかの毎日々々....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
蒸し暑い真夏の夜のことだった。 大東京のホルモンを皆よせあつめて来たかのような
精力的な新開地、わが新宿街は、さながら油鍋のなかで煮られているような暑さだった。....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ある振りをしたがるという風な女です。唯取柄なのは、家庭や団体なんかが牛耳れそうな
精力的なところなんですが……僕あそんなもの欲しくないんです」 「そうお。だけど誰....
「河明り」より 著者:岡本かの子
で入口を飾り、その上へ極端な性的の表象を翳しているヒンズー教の寺院を見た。それは
精力的に手の込んだ建築であった。 虚空を頭とし、大地を五体とし、山や水は糞尿で....
「盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
、退屈でたまらないというふりをしていた。彼はおそらく現代での、もっともほんとうに
精力的な人間だろう、――が、それは誰も見ていないときだけのことなんだ。 彼にひ....
「伯林の降誕祭」より 著者:岡本かの子
りつつ見る下の此処彼処の家に、小児が贈物を待ちつつ眠るところ、何れも豪華に独逸の
精力的な重大性を見せたものです。 「俺達の教会」では思わず吹き出し、そして感心し....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
邪教徒どもです」 彼はこう云いはるのみで、他は口をつぐんで答えない。見るからに
精力的な、あくまで強情な人柄であるから、一たん云いはったら、テコでもうごくもので....
「イオーヌィチ」より 著者:神西清
ちかかる髪の房を振り払いもせず、緊張のあまり薔薇色に上気して、いかにもがっしりと
精力的なその姿が、ひどく好もしいものに思えるのだった。ひと冬をヂャリージで、病人....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
のを忘れていた襖の間に、身丈の高い、肩巾の広い、五十近い男が、太い眉、厚い唇の、
精力的の顔を、お篠の方へ向けて立っていた。 「お仕事は、まだお済みではございませ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
、少し霜を雑じえているばかりであった。段鼻の、鷲のような眼の、赧ら顔は、いかにも
精力的で、それに、頤などは、二重にくくれているほど肥えているので、全体がふくよか....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
ている。「岸野――小作人の問題」の限界を越えようとしている。 我々は意識的に、
精力的に、その方向へ努力しなければならない。 ┌───────────────....
「城」より 著者:カフカフランツ
あるいはただ不安げに緊張している聞き手二人の錯覚のためだろうが、ほとんど一人前の
精力的で、賢明で、見通しがきく男が話しているように思われるのだった。ところが、す....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
令が海岸に駆けつけてきて、遠征停止の女王の命令書を届けた。例によってエセックスは
精力的に喚き愬えたが、そのためにドオヴアとロンドンの間を伝令たちが幾往復かする間....
「道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
あるのみである。それには不断の努力と精力が要る。敢えて努力と言わぬまでも、不断の
精力的注意があってこそ、道は進むのである。 夏場の刺身として、例えばすずきやか....