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精査
「精査〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
精査の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ている敬四郎を、じろり、じろりと、微笑とともに見ながめながら、次のふろしき包みの
精査に取りかかりました。 しかし、出てきたものは、いずれも着古したよごれ物、ぼ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
よくあることである。ここでこの初心な、子供らしい、また往々野蛮くさい詩を批評的に
精査しても大した価値はないのであるから、これをフォッス(Voss)の訳した音律詩....
「浴槽の花嫁」より 著者:牧逸馬
こうち》に働くのだから、その点がすでに病的だといえばいえるけれど彼の日常の言動を
精査しても、何度専門家が鑑定しても、なんら精神的反応を呈《てい》さずに報告はいつ....
「量的と質的と統計的と」より 著者:寺田寅彦
い疎通孔をあけるには、やはりいろいろの実験が望ましい。それには行ない古したことの
精査もよいが、また別に何かしら従来とはよほどちがった方面をちがった目で見るような....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
できない問題である。従って創作心理の研究者にとっては少なくもひとまずは取り上げて
精査してみなければならない問題である。「あぶらかすりて」の次に「新畳《あらだたみ....
「ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
きをたとえ簡単にでも正確につきとめるためには、実は多数の警察官や司法官の長日月の
精査を要し、しかもそれでもなかなか容易にはすみからすみまで明白にしにくいのが通例....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
独逸航空会社には一層の野心があるのだろう。英ソの緩衝地帯である「大地軸孔」一帯を
精査して、ナチスの楔を南新疆にうちこもうというのではないか。また一方、この探検が....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
秤皿だの、分銅だの、その他あらゆる種類の鉄の廃物が山の様に積まれてあった。何人も
精査することを好まないような秘密が醜い襤褸の山や、腐った脂身の塊りや、骨の墓場の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ら知らないで、その壁を調べてみた。時としては夢想も思想がなすように物を調べ観察し
精査する。マリユスは突然飛び上がった。高く天井に近い所に、三枚の割り板がよく合わ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
人力にて廃しまたは回復し得ざるものをも処断するの権利を人が有するか否かを、少しも
精査し考察していなかった。刑罰という語に少しも反感を持っていなかった。成文律を犯....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
関車より墜落し長堤を転がりて藪中に落ちたるもの。致命傷は頭部の負傷。附近ただいま
精査中なるも列車の行方依然不明。』 かくてその夜、駅長のブランド氏は、探偵長と....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
を蹴飛して、ガスの放出するのに気づかないのは可笑しいという説も生じ、当局では一層
精査を遂げる由である。 屍体は現場に於ける警察医の検視で、ガス中毒なることは明....
「監獄部屋」より 著者:羽志主水
》して本省への報告に、 「世間伝うる如き、所謂《いわゆる》監獄部屋の虐待惨酷は、
精査の結果、之を認むる能《あた》わず」 (〈新青年〉大正十五年三月号発表)....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
件を大きく「|絞り開け」すると重要な材料となっていた。即ち第一に、機体内を綿密に
精査して帰った係官は、総てを綜合して、先ず次の如く報告した。 「――機体内に兇器....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
わゆる不良少年や罪人を収容し、最新科学の研究を応用して渠らの感覚欠如や精神欠陥を
精査し、根本の病因を究めてこれを医療するのが科学的でもありかつ有効でもある。尤も....