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精錬
「精錬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
精錬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文芸と道徳」より 著者:夏目漱石
えば鉱《あらがね》のように種々な異分子を含んだ自然物でなくって純金と云ったように
精錬した忠臣なり孝子なりを意味しております。かく完全な模型を標榜《ひょうぼう》し....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
の建設期に入れば、人々の自由は更に高度に尊重され、全人類一致精進の中にも、各人は
精錬された自由の精神を以て、自主的に良心的にその全能力を発揮するような社会状態と....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ている。そういう限り、と云うのはこの抽象的な一致点としてのモラルを具体的に選鉱し
精錬しないでおく限り、モラルは一種の転向的モチーフになっていることを見落してはな....
「沓掛より」より 著者:寺田寅彦
当がつかない状態にあることは、ちょうどここの盆踊りのようなものである。これが時の
精錬器械にかかって渾然とした一つの固有文化を形成するまでには何百年待たなければな....
「金属人間」より 著者:海野十三
ぞくっぽく金属製造といってもさしつかえないであろう。 いや、金属というものは、
精錬《せいれん》され、あるいは別のものに化成され、または合金《ごうきん》にされる....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
としては問題の圏外にぞくする)、マルクス主義理論を如何にして基本的な教養によって
精錬し之に実用的なフレクシビリティーを与えるか、という反省の時期に這入ったのであ....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
わが国などで一般に批評が盛んになって来たという現象は、一切の文化物を選鉱し溶解し
精錬するための批評の統一的な「常識」原理が見出されたことを意味しているので、之は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のではない、川を渡るにも、水を汲むにも、山を登るにも、田を耕すにも、銅鉄の荒金を
精錬するにも、毛綿の糸縄を紡績するにも、材木をきるにも、あらゆる器具を作るにも、....
「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」より 著者:戸坂潤
とする。公式はそういう時に役に立つので、公式というのは過去の実際的経験が蓄積され
精錬され省略化された活動用具だからである。 どんな固定観念にでもシステムはある....
「物理的空間の成立まで」より 著者:戸坂潤
ような物理的空間の素朴なものであると思う。ミンコーフスキーの世界の如きはその最も
精錬された成果であると云うべきである。物理的空間は空間の直観とあくまで区別されね....
「空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
の探査を補助し得たことはもちろん、更にあるいは、この欧羅巴最初の犯罪取扱業者の、
精錬された観察と、周到な活動は、警察力以上もの偉力を発揮したかもしれなかった。私....
「十六日」より 著者:宮沢賢治
(こいつあ水車じゃありませんや。前じきそこにあったんですが掛手《かけて》金山の
精錬所《せいれんじょ》でさ。)(ああ、金鉱《きんこう》を搗《つ》くあいつですね。....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
し仕事を進めていったものだ」 「こりゃ実験室だけの仕事じゃないから、材料の採掘、
精錬、分析、純粋分離というだけでも大した工業力が要るんだぜ。きっとあとで発表にな....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
土田も北海道へ行くなら其処へ行けと私にすすめていたからだった。S金山はこの夏に新
精錬所の増築も竣工して、その千瓲(一日の処理鉱石)プラントの新設備は東洋第一とい....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
せられた傭兵は全く職業軍人である。生命を的とする職業は少々無理あるがために如何に
精錬な軍隊であっても、徹底的にその武力の運用が出来かねた事が仏国革命まで、持久戦....