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糟
「糟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
糟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
《はで》なモスリンの端切《はぎ》れを買った。またビールの小瓶《こびん》を三本と油
糟《あぶらかす》とを馬車に積んだ。倶知安《くっちゃん》からK村に通う国道はマッカ....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
れ故、「渋味」の対立者としては「甘味」を考えても差支ないと信ずる。渋茶、甘茶、渋
糟《しぶかす》、甘
糟、渋皮、甘皮などの反対語の存在も、この対立関係を裏書する。し....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
即ち個性の)表現を試みようとする。又或る人は愛の純粋なる表現を欲するが故に前人の
糟粕を嘗めず、彼自らの表現手段に依ろうとする。前者はより多く智的生活に依拠し、後....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
の責任を思い、六十三歳の老齢を以て坊主頭へ白布で鉢巻きをなし、黒糸縅しの鎧を着、
糟毛の駿馬にうちまたがり三尺の太刀をうちふり、手勢二百をつれて岡附近の最も危険な....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
引取らぬ不覚人の盛政、今更何の相談ぞ、既に北国の運命尽きる日ぞと云って返し戦う。
糟屋助右衛門、好敵と見て五左衛門と引組んだ。助右衛門、ついに上になり首を掻こうと....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
八雲助手の声に、得意の響きがある。 「はてね」 「灰皿に真黒焦げになって紙の燃え
糟がございました。その燃え殻の紙には、鉛筆で書いた文字の痕が光って残っていました....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
四五 撞木野郎、丸太棒。(と怒鳴る。) 初雄 えへん、君はこの村において、肥料の
糟にもならない、更に、あえて、しかしてその、いささかも用のない人です。故にです、....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
上げて、(大胆ものめが、土性骨の太い奴や。主人のものだとたかを括って、大金を何の
糟とも思いくさらん、乞食を忘れたか。) と言う。 目に涙を一杯ためて、(御免....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
て、彼の言葉にも生気を失って来たらしく、だんだんに力なく、空虚になって、疲労と酒
糟に酔ったようにしどろもどろになって、言葉と言葉とのあいだに大空間と大暗黒とを暗....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
待ち構えていたところである。その矢先へこんな風説が耳にはいっては猶予がならない。
糟屋甚七、古河市五郎の二人は、すぐに多々良村へ出向いてその実否を詮議すると、その....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
があり、そして坂田という人の一生を宿命的に象徴しているともいえよう。苦労を掛けた
糟糠の妻は「阿呆な将棋をさしなはんなや」という言葉を遺言にして死に、娘は男を作っ....
「米」より 著者:犬田卯
は毎年きまって化成を三叺ほど叩きこんだ。ところでその肥料だが――化成のみならず魚
糟配合のようなものでも、今年は品不足で(日支事変のための原料不足に加えて製造能力....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
妻」や「満妻」を持つような気分になってしまった。当時の成上りの田舎侍どもが郷里の
糟糠の妻を忘れた新らしい婢妾は権妻と称されて紳士の一資格となり、権妻を度々取換え....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
地方は、『陸奥話記』にいわゆる奥地に当り、これを糠部(『吾妻鏡』文治五年九月条に
糟部郡とあるは誤記なるべし)と汎称して、当時にあっても、なおほとんど化外に置かれ....
「夏日小味」より 著者:北大路魯山人
、大概はその皮を剥いて捨ててしまうものであるが、その捨ててしまう皮を食前一時間、
糟味噌に漬けて、それで一番美味く漬けもの通になりすまそうというのである。 パリ....