» 糸繰

「糸繰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

糸繰の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おじいさんのランプ」より 著者:新美南吉
之助の村にはあきないやとては一軒しかなかった。駄菓子《だがし》、草鞋《わらじ》、糸繰《いとく》りの道具、膏薬《こうやく》、貝殻《かいがら》にはいった目薬、そのほ....
田舎教師」より 著者:田山花袋
、二人は話しながらゆるやかに歩いた。野の角に背を後ろに日和ぼっこをして、ブンブン糸繰り車をくっている猫背の婆さんもあった。名代の角の饂飩屋には二三人客が腰をかけ....
温泉」より 著者:梶井基次郎
る。評判の美人である。彼女は前庭の日なたで繭を※ながら、実際グレートヘンのように糸繰車を廻していることがある。そうかと思うと小舎ほどもある枯萱を「背負枠」で背負....
糸車」より 著者:寺田寅彦
と唸り音の交響楽が奏せられていた。 祖母の紡いだ糸を紡錘竹からもう一ぺん四角な糸繰り枠に巻き取って「かせ」に作り、それを紺屋に渡して染めさせたのを手機に移して....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ような人間じゃアございませんよ、田舎じゃア少さい時から木綿着物で育て、教える事は糸繰から機織ぐらいで済むけれど、江戸育ちの娘というものは少さい中から絹布ぐるみ、....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
が余り非道で、厳しゅうて、身体に生疵が絶えんほどでね、とても辛抱がならいで、また糸繰の方へ遁げていた時でしたわ。」 「ああ、じゃあ、それからまた縒が戻った次第だ....
日和下駄」より 著者:永井荷風
は、今も昔と変りなく折々|紺屋《こうや》の干場《ほしば》または元結《もとゆい》の糸繰場《いとくりば》なぞになっている処がある。それらの光景は私の眼には直《ただち....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
ということは、彼らのために非常なる大打撃でなければならぬ。勿論|養蚕とか地機とか糸繰りとか、若干農村に縁のある内職も探し得たであろうが、何にしても労働が土と関係....