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「紀州家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紀州家の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
行人」より 著者:夏目漱石
せた。 「へえーこれが昔のお城かね」と母は感心していた。母の叔母というのが、昔し紀州家の奥に勤めていたとか云うので、母は一層感慨の念が深かったのだろう。自分も子....
乱世」より 著者:菊池寛
他の一人がいった。 「紀州へ落ちた人たちは、あれからどうしたであろう。まさか、紀州家が見殺しにはしないだろう」 第三の人がいった。 彼らは、努めて自分たち....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と訳があるので……」 今から二十年ほど前に、和泉屋の番頭勇蔵が入牢した。それは紀州家か尾張家かへ納めた品々に、何か不正のことがあったと云うのである。その吟味中....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
った。その結果或る事が発見された。家臣の中に内通者があって、それが家中の内情を、紀州家へ一々報告し、それを利用して紀州家では、巧妙な運動を行ったため、成功したの....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
見ても、虚堂墨蹟がむかしからどんなに重んじられたかが、よくわかろうというものだ。紀州家の虚堂墨蹟は、同家の祖先大納言頼宣が、父家康から授ったもので、これについて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ありました。いずれも物の具に身を固めた兵士《つわもの》で、十津川から来たものと、紀州家の兵とが一緒になって、竜神村へ逃げ込んだ天誅組の余類《よるい》を探そうとい....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
らと打明けにかかりました。 「御承知でもございましょう、それは土佐の坂本先生が、紀州家から受取った伊州丸の償金なんでございます」 「なるほど――そういうことがあ....
魔王物語」より 著者:田中貢太郎
雨の間を見て隣家へ遊びに往った。隣家の主人の権八はもと三の井と云う力士で、一度は紀州家の抱えとなっていた大関角力であったが、其の比は故郷へ隠退して附近の壮佼に角....
四十八人目」より 著者:森田草平
楯がある」と、小平太は今さらのように考えずにはいられなかった。「その上杉家はまた紀州家を仲にして将軍家とも御縁つづきになっているのだ。去年三月の片手落ちなお裁き....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
剣をつかう男だ。 (わしの藩へくれい) と、その出淵は越前侯から、村田与三は、紀州家から、懇望されているくらいだった。 出来ると、世間に聞えると、諸国の大名....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
家松本備前守の刀系をひいている有馬豊前守の一族の者で、その豊前守は徳川家康の命で紀州家へ移ったという人物である、そういう一族の者で、しかも天真正伝の神道流をうけ....
大岡越前」より 著者:吉川英治
績をあげた。法を護持し、管下の民を愛することにおいては、治領の境を接しあっている紀州家をあいてに屈しなかったことすらある。 山田奉行としての彼の名は、剛毅と、....