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約束
「約束〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
約束の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ますから、ここにはとり立てて申し上げません。それよりも先を急ぎますから、最初に御
約束致しました通り、若殿様の御一生に、たった一度しかなかったと云う、不思議な出来....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
からでしょうか。私はこんな臆測を代り代り逞《たくまし》くしながら、彼と釣りに行く
約束があった事さえ忘れ果てて、かれこれ半月ばかりの間というものは、手紙こそ時には....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
子《じょうぐうたいし》などの兄弟です。――が、そんな事を長々と御話しするのは、御
約束の通りやめにしましょう。つまり私が申上げたいのは、泥烏須《デウス》のようにこ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
い顔を照らした。
書面は求馬が今年《ことし》の春、楓《かえで》と二世《にせ》の
約束をした起請文《きしょうもん》の一枚であった。
三
寛文....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
》んでいた事は、元よりわざわざ云う必要もない。もし出来たなら、その時に、己は己の
約束をその場で破ってしまいたかった。そうして、あの不貞な女を、辱しめと云う辱しめ....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
作もそれから十分ばかりの内に、とうとう息を引き取りました。麻利耶《マリヤ》観音は
約束通り、祖母の命のある間は、茂作を殺さずに置いたのです。
田代君はこう話し....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
ったのは。しかし体を売ったと云っても、何も昔風に一生奉公《いっしょうぼうこう》の
約束をした訣《わけ》ではありません。ただ何年かたって死んだ後《のち》、死体の解剖....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
な事を云った。姉は去年縁づく時、父に分けて貰う筈だった物が、未《いまだ》に一部は
約束だけで、事実上お流れになっているらしい。――そう云う消息《しょうそく》に通じ....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
噛《か》みつきでもしそうな調子で、囁いた。
「もし君が他言《たごん》しないと云う
約束さえすれば、その中の一つくらいは洩《も》らしてあげましょう。」
今度は本間....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
出来はしません。」と、あべこべに医者をやりこめるのです。
さて明くる日になると
約束通り、田舎者の権助は番頭と一しょにやって来ました。今日はさすがに権助《ごんす....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
どけたんですがね。とっつかまえて見りゃ何のことはない。ただそのながらみ取りと夫婦
約束をしていたこの町の達磨茶屋《だるまぢゃや》の女だったんです。それでも一時は火....
「運」より 著者:芥川竜之介
ります。その綾や絹を売ったのを本《もと》に致しましてな。観音様も、これだけは、御
約束をおちがえになりません。」
「それなら、そのくらいな目に遇っても、結構じゃな....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
もとへ引き寄せました。 「この阿魔め。まだ剛情を張る気だな。よし、よし、それなら
約束通り、一思いに命をとってやるぞ」 婆さんはナイフを振り上げました。もう一分....
「鴨猟」より 著者:芥川竜之介
一ノ橋の河岸へあがると、酔いもすこし醒めたと見え「僕は小供に鴨を二羽持って帰ると
約束をしてきたのだが、どうにかならないものかなあ、何でも小供はその鴨を学校の先生....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
色の髪の毛が縮れている若々しい額、やさしく撫でる手、物云う眼、皷動する心臓、唇を
約束する微笑、抱愛を
約束する唇!――そして最初の接吻、思わず眼を閉じさせる、あの....