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紅海
「紅海〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紅海の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
んでいる力と、――多分は人間に見えない霊と、戦わなければなりません。あなたは昔|
紅海《こうかい》の底に、埃及《エジプト》の軍勢《ぐんぜい》を御沈めになりました。....
「新生」より 著者:島崎藤村
れる青ざめた燐《りん》の光を眺めながら幾晩か眠り難い夜を過したこともあった。船は
紅海《こうかい》の入口にあたる仏領ジュプティの港へも寄って石炭を積んで来た。スエ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
宮中占星官から科学や魔術の教授を受けたという話である。 エジプト人は地中海から
紅海へかけてかなり手広く航海を営んでいた。それには彼らの星学の知識が航路を定める....
「旅日記から」より 著者:寺田寅彦
しそうにニコニコしていた。 (大正九年九月、渋柿) 五 アラビア海から
紅海へ 四月二十日 昨夜九時ごろにラカジーブ島の燈台を右舷に見た。これからアデ....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
離れて大分航海してから、川の様な狭い海を船がゆっくり進んだ。聖書の中で聞いていた
紅海だと教えられ、欣《よろこ》ばしい好奇心で眺めた。それから、海の上を夕陽の色が....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
へまで行って船の匂いを嗅いで歩いた。そしてこんな連絡船の匂いから、私はインド洋、
紅海などをさえ思い起こしたりした。 T夫人は船のボーイに幾度となく今日は波は立....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
、マルセイユが蘇ってくるのだ。 私が印度洋を知らなかった時、私の心配は印度洋と
紅海のその暑さの度合だった。どれ位の暑さかという事を経験ある人たちに訊ねて見たが....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
まで、あるいはソ領|中央アジアへもコーカサスへも、アフガニスタン、イランをとおり
紅海のしたから、この地下の道はサハラ沙漠まで、ゆくだろう。そうして、ここに地底の....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ったカイロ行きの汽車が、沙漠と熱帯植物を背景にことこと這っていた。 6
紅海の或る日。 蒸し殺されるように暑い。これでも今日は幾分涼しいほうである。 ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
関手も一種の瞑想家で、彼を独りでおく限り、またその道具を掻きみださない限り、彼は
紅海の悪魔に関するほかは何も注意しないのである。 氷は依然として速かにひらいて....
「カットの文法」より 著者:中井正一
態、すなわち「神話」化する傾きをもっている。 モーゼが、一万の大衆をひきいて、
紅海の岸に立った時、あのひろいひろい海に向って、 「この水よ開け」 と、叫んだ....
「真珠の首飾り」より 著者:神西清
珠はどれもみんな、泣きの涙で採集されるものとは限りません。ペルシヤ真珠もあれば、
紅海で採れるのもある。淡水――すなわちオー・ドゥスで採れたのもあって、これなら採....
「西航日録」より 著者:井上円了
デン港を発す。この日、雨少なく降る。去月十日以来、はじめて雨を見る。九日、十日、
紅海中を北走す。十一日(日曜)夜、スエズに着す。当夜より運河に入りて航行す。気候....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
渺々たる水が空に連なっている。) 船泊(船は亜丁港に泊す) 船泊亜丁港、望迷
紅海雲、熱風吹不。 (船が亜丁港に停泊し、望めば
紅海の雲にまよわされる。熱をふく....
「グーセフ」より 著者:神西清
かりしてるんだ。この咳は胃から来るんでね。……おれは地獄だって堪え通せる。まして
紅海なんかなんでもない。そのうえおれは、自分の病気にも奴らのくれる薬にも、批判的....