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「紅茸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紅茸の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
った爺さんや、赤児を負ったお春っ子が、笊をかゝえて採りに来る。楢茸、湿地茸、稀に紅茸、初茸は滅多になく、多いのが油坊主と云う茸だ。一雨一雨に気は冷えて行く。田も....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
這込んで消えた――塗笠を拾ったが、 「お客さん――これは人間ではありません。――紅茸です。」 といって、顔をかくして、倒れた。顔はかくれて、両手は十ウの爪紅は....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
なかろう。 阿媽、これを知ってるか。 たちまち、口紅のこぼれたように、小さな紅茸を、私が見つけて、それさえ嬉しくって取ろうとするのを、遮って留めながら、浪路....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
いが、あまり不便じゃ。氏神様のお尋ねだと思え。茸が婦人か、おのれの目には。」 「紅茸と言うだあね、薄紅うて、白うて、美い綺麗な婦人よ。あれ、知らっしゃんねえがな....
露肆」より 著者:泉鏡花
前に並べて、きざ柿の熟したのが、こつこつと揃ったような、昔は螺が尼になる、これは紅茸の悟を開いて、ころりと参った張子の達磨。 目ばかり黒い、けばけばしく真赤な....
たどんの与太さん」より 著者:竹久夢二
るのかも知れない。キリスト様は、馬小屋のなかからお生れなすったし、ナスカヤ姫は、紅茸から出て来たからな。與太郎は考えるのでした。 「マリヤとグレコは、山へ茸狩に....
きのこ会議」より 著者:夢野久作
するとこの時皆のうしろからケラケラと笑うものがあります。見るとそれは蠅取り茸、紅茸、草鞋茸、馬糞茸、狐の火ともし、狐の茶袋なぞいう毒茸の連中でした。 その大....
明暗」より 著者:岡本かの子
ただ無限。白ばら、白百合、白壁、白鳥。紅いものには紅百合、紅ばら、紅珊瑚、紅焔、紅茸、紅|生姜――青い青葉、青い虫、黄いろい菜の花、山吹の花。 こう愛情で心身....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
柿、柘榴などと、蕪、人参、花を添えた蔓の藤豆、小さな西瓜、紫の茄子。色がいいから紅茸などと、二房一組――色糸の手鞠さえ随分糸の乱れたのに、就中、蒼然と古色を帯び....
清心庵」より 著者:泉鏡花
の茸は毒なんか。」 「え、お前様、そいつあ、うっかりしようもんなら殺られますぜ。紅茸といってね、見ると綺麗でさ。それ、表は紅を流したようで、裏はハア真白で、茸の....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「俺のほうが多いぞ」 朱実は、武蔵の籠へ手を入れて、 「だめ! だめ! これは紅茸、これは天狗茸、これも毒茸」 ぽんぽん選り捨ててしまって、 「私の方が、こ....