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紊
「紊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「過古」より 著者:梶井基次郎
いた。遠くの父母や兄弟の顔が、これまでになく忌《いま》わしい陰を帯びて、彼の心を
紊《みだ》した。電報配達夫が恐ろしかった。 ある朝、彼は日当《ひあたり》のいい....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
殺したのは憎むべき所業である。殊に人間が畜生の交わりをしたなどというのは、人倫を
紊《みだ》るの罪重々である。すでに死去したものは是非ないが、生き残った甚太郎と権....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は膝をたて直した。 「奥勤めの御女中の右の小指に撥胝があるようでは、御奥も定めて
紊れて居りましょうと存じまして」 女の顔色は急に変った。 「御免くださりませ。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
など、それからそれへと励行されたが、その一つとして江戸の娘義太夫三十六人は風俗を
紊すものと認められ、十一月二十七日の夜に自宅または寄席の楽屋から召し捕られて、い....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
ハ必ズ阿呆ニナラン」 「夕ニ武道ノ稽古ヲ成ス所以ハ」 「サレバ、今ヤ天下麻ノ如ク
紊レ、武ヲ知ラザレバ皆目知ラザルニ等シキ世ナリ。武芸者ノミココヲ先途ト威張リ散ラ....
「征服の事実」より 著者:大杉栄
いささかでもこれに疑惑をさしはさむようになれば、それは社会の安寧と秩序との大なる
紊乱を生ずるもととなる。そこでこの観念を強制するために、諸種の政策が行われた。い....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
っていると、その日の午後、こんどはとんでもない警察につかまってしまった。 秩序
紊乱、官吏抗拒、旅券規則違反というような名をつけられて、警察に一晩、警視庁に一晩....
「獄中記」より 著者:大杉栄
た)の刑期も、ほんのうろ覚えではっきりは覚えていない。 一、新聞紙条令違犯(秩序
紊乱) 三カ月 二、新聞紙条令違犯(朝憲
紊乱) 五カ月 三、治安警察法違犯(....
「死者の書」より 著者:折口信夫
人であった。 若し又、適当な語を知って居たにしたところで、今はそんな事に、考えを
紊されては、ならぬ時だったのである。 姫は唯、山を見ていた。依然として山の底に、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ある。怠慢に流るる時はしばしば大事をあやまり、不正に流るる時はややもすれば神律を
紊す。よくよく心して、神から托された、この重き職責を果すように……。』 産土の....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
て、二人が二人とも揃って経済に無茶であったから、さらぬだに不足がちの家計が一層|
紊乱して、内証は岡目に解らぬほどの不如意を極めていた。 かつ加うるに夫婦の間が....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
子をたぶらかせ、市政を乱し、女子をして政治に携らしめて我国の美風を傷つけ、朝憲を
紊乱せしめたものである。すべてこれらは死刑に該当するものであるからおまえを死刑に....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
に道義の昂揚を掲げておるのであります。しかも、吉田内閣のもとでは、綱紀はそれほど
紊乱しておらないと強弁されておるが、第十五国会の決算委員会に現れた報告書によれば....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
部を全く引き尽して、また余力を存せず、屡、奇声を発す。されども、暗中ながら、綸を
紊すことも無く、力に従いて相闘いしかば、三十分許りの後には、船頭の助けを得て、沈....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
攻撃の強行は至難であった。 又たとい敵を撃退せる場合に於ても軽挙追撃して隊伍を
紊る時は、敗者のなお所有する集結せる兵力のため反撃せらるる危険甚大で、追撃は通常....